第六章
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膝の上から規則正しい寝息が聞こえ始め
キッドはため息を吐く。
自分がやったとは言え、女を膝枕しているところなんてクルーたちに見られては、何を言われるかわからない。
キッドはミドリを肩で担ぎ、立ち上がる。
酒のせいか、こんな乱暴な抱き方でも、ミドリが起きる様子は全くなかった。
「なんで俺がこんなことしなきゃならねェんだ。」
船へ向かう途中、キラーに見つかった。
「ミドリ、寝たのか。」
「あぁ。世話が焼ける。」
「……変わったなぁ、キッド。」
「あ?何の話だ。」
「なんでもない。ちゃんとミドリの部屋に連れて行くんだぞ。」
「わかってら!いちいちうるせェな。」
ミドリの部屋のドアを開け、中に入り
ベッドに寝かせる。
これだけ動かしても、全く起きる気配はない。
床に座り、そっと手を伸ばし
ミドリの頬に触れた。
先ほどまで流していた涙で
まだ少し濡れていた。
「……泣いてんじゃねェよ。」
小さな声で呟くと、ミドリが微かに動き
頬にあるキッドの手を握るとふにゃっと笑う。
「ん……キッドの手、あったかくて……すき……」
いい終わるや否や、また寝息を立て始める。
寝言だった。
すぐにその場を離れたかったが、握られた手を振り払うことが出来ず
キッドは赤くなった顔を隠すように、勢いよくベッドに押し付けた。
「……ふざけんなよ、バカ女……」