第三章
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「キッド、敵船だ。」
「お!久々の獲物だな。」
次の朝の出来事だった。
いきなり敵の海賊船が現れたのだ。
「昨日からパンしか食ってねェから力が出ないな。」
ギロリとキッドに睨まれる。
「ごめんなさい……」
こんな時にそんな意地悪わざわざ言う必要ないじゃん。
そう思いながらも、初めてのキッド達以外の海賊を前にどうしたらいいのかわからない私。
敵は船を横に着けると次々と乗り込んできた。
明らかにこちらよりも人数が多い。
大丈夫なのだろうか。
目の前でいきなり始まった殺し合いに
足がすくんで動くことすらできない。
男達の怒号と、剣がぶつかる音や銃声が響く。
もしかしたら私は今死ぬのかもしれない。
怖い怖い怖い。
ついには腰が抜けて甲板の端っこで座り込んでしまった。
「なんだ、弱そうなのがいるな。」
目の前に敵が現れても逃げることすらできない。
剣を向けられて、声を出すこともできない。
せめてもの抵抗で、身を丸めて頭を抱える。
殺される!
「うっ……」
男のうめき声が聞こえて
恐る恐る顔を上げると、目の前にいた男は血を流して倒れていた。
「何やってんだ!中に入ってろ!!」
キッドだった。
助けてくれた……?
「ごめんなさい……腰が抜けちゃって……」
「あぁ?」
キッドの額に血管が走る。
怒ってる。
私が足手まといになってるからだ。
なんとか立ち上がろうとするけど
足が震えて力が入らない。
「てめェが船長だな!!」
気付けば私とキッドの周りにたくさんの敵が集まってきていた。