第二章
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次の日。
「ログが貯まった。いつでも出航できるぞ。」
皆で朝食を済ませ、私が片付けを終える頃に
キラーが言った。
「よし!やっとこの退屈な島とおさらばできるぜ。お前ら出航準備だ!」
待ってましたとばかりにキッドは勢いよく立ち上がる。
「「「オウッ!!」」」
船員の皆もそれに続いて外へ出て、それぞれ持ち場へ着いた。
なんだか少し、皆が格好良く見えた。
「あの、私に何か手伝えることは?」
キッドに聞く。
「あ?お前にできることはねェよ。おとなしく皿でも洗ってろ。」
「……すみませんね、役立たずで。」
「それよりお前、本当にいいんだな?」
「え?」
「海へ出たら何が起こるかわからねェ。お前の乗ってた客船を襲ったような嵐がまた来るかもしれねェ。覚悟できてんだろうな。」
「………」
思い出してゾクっとした。
あの嵐がまた…
もしかしたらそれ以上の恐怖があるかも……
体が震える。
でも、この船に乗せてもらう以外に
私に選択肢はない。
ぐっと下唇を噛んで、覚悟を決める。
「大丈夫。私も連れてって。」
真っ直ぐにキッドを見つめて言えば
キッドは満足そうに頷いた。
「出航だ!!!」
イカリを上げ、帆を張り
キッドのかけ声とともに船が走り出す。
太陽に照らされてキラキラと光る海面を
風を切りながら進む。
気持ちがいい。
両親への反抗心から海へ飛び出した時よりも
今回は清々しく、スッキリとした気持ちで海へ出られた。
不安が消えたわけではない。
でも、私は前へ進むしかない。
出会ったばかりのこの人たちを信じて。