第二章
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「ありがとう。元気出た。ほんのちょっとだけど。」
「そうかよ。」
キッドも笑った。
そういえば、笑った顔を見たのは初めてかも。
「キッドはどうして海賊になったの?」
「なんだよ急に。」
「いいじゃない少し話すくらい。どうせ暇でしょ。」
「………ワンピースを手に入れて、海賊王になるためだ。」
「ワンピース?なにそれ。」
「俺もよく知らねェ。」
「へぇ……なんかよくわからないけど、すごいね。」
「……笑わねェのか?」
「どうして?笑って欲しいの?」
「いや……バカみたいな夢だと思うだろ。普通。」
「思わないよ。むしろ、よく知らないものに命をかけられるなんて、格好良いと思う。」
「………変な女。」
それだけ言い残して、キッドは行ってしまった。
海賊なんて、好き放題暴れて、欲しいものはなんでも奪って、乱暴で勝手なヤツらの集まりなんだろうと思っていた。
そんなの、私の偏見だった。
キッドは、この船の人たちは、ちゃんと目標を持って旅をしているんだ。
それはきっと、私が今まで生きてきた小さな世界の中では想像もできないくらい
大きくて輝かしいもの。
キッドたちが、少し羨ましくなった。