第二章 〜ともに〜
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第二章 〜ともに〜
窓からの眩しい光で目が覚める。
「ん……全部夢!?」
焦って起き上がる。
ここはベッドの上。
昨日クロコダイルさんに連れてこられた部屋の中。
クロコダイルさんの上着もまだ体にかけられていた。
それを見て、夢でないことに心から安堵し
この幸せを噛み締める。
奴隷の日々は終わったんだ。
昨日買ってもらったワンピースを着て
部屋のドアから外をのぞいてみる。
そこは廊下。
右を見るといくつかドアが並んでいた。
左を見ると外に続く大きな扉だ。
どこへ行けばいいのか…
とりあえず廊下に出ると向かいのドアが開き
ダズさんが出てきた。
「…起きたのか。」
「あ、おはようございます。」
ちゃんと挨拶しなくては、と身なりを整えて頭を下げる。
「ここでお世話になることになりました。ミドリです。よろしくお願いします。ダズさん…ですよね?」
「ダズ・ボーネスだ。ダズでいい。ボスが起きたら飯を食いに出る。今のうちにシャワーでも浴びておけ。」
「ごめんなさい…お風呂はどこですか?」
「……来い。」
相変わらず怖い顔だけど
面倒臭そうにしながらも家の中を案内してくれた。
私の部屋の隣がクロコダイルさんの部屋。
その隣に物置き部屋。
私の部屋の向かいがダズさんの部屋。
その隣がトイレとお風呂がある洗面所。
一番奥にキッチンとダイニング。
でも料理はしていないようで、キッチンはお酒があるだけでほとんど使われていない様子だった。
平家だけど大きな家だった。
この島を拠点に決めたときに空き家だったこの家を見つけたんだと、ダズさんが教えてくれた。
ーーーーーーーーー
シャワーを終えて洗面所を出ると
ちょうどクロコダイルさんが部屋から出てきた。
朝からオールバックがきまっている。
「おはようございます。あの、お風呂いただきました。」
「好きにしろ。飯に行く。」
「あ、上着お返しします。」
部屋からクロコダイルさんの上着を持ってきて返す。
「ごめんなさい、私昨日あのまま寝てしまって。」
「小せェことをいちいち気にするな。ダズ、行くぞ。」
「はい。」
「行ってらっしゃい。」
玄関まで見送って頭を下げると
2人は立ち止まった。
「何してやがる。早く来いミドリ。」
「えっ…私も行って良いんですか?」
「ここに食い物はない。一緒に来い。ボスを待たせるな。」
「ごめんなさい!」
焦って2人についていく。
いまいち自分のやるべきことが掴めなくて
どう行動したらいいのかわからず
戸惑うことばかりだけど
そんな私をちゃんとそばに置いてくれるんだ。
2人の大きな背中を前に
目頭が熱くなった。