夜明けのキスを
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その日から
私たちは毎晩一緒に寝るようになった。
と言っても
私がいつも勝手にクロコダイルさんのベッドに入り込んでいるだけだけど。
私が寝る頃は、クロコダイルさんは夜の見張り中だから、私は先にベッドに入って眠る。
ダズさんと見張りを交代すると
彼はシャワーを浴びてベッドに入ってくる。
私は気付くこともあるし
気付かずそのまま寝ていることもある。
でも毎回クロコダイルさんが、寝る前に一度抱き締めてくれる温もりを感じていた。
私が見張りをする朝方
起こさないようにそっとベッドを出る。
ただ、どんなに静かに起き上がっても
クロコダイルさんは必ず目を開ける。
そして必ず、私を引き寄せてキスをする。
私を離すと自分はそのまま二度寝に入る。
それが、私たちの習慣になっていた。
抱いてもらうことはなくても
以前のような寂しさは全くなくなり
気持ちが満たされるようになった。
ーーーーーー
「ボス、島です。」
夕暮れが近づくころ。
見張り台からダズさんに言われて前方に目をやると、小さく島が見えた。
2人と海へ出てから上陸した島は
今にも獣が出そうなジャングルだったり
天候のおかしい荒地だったり
人が入れるような場所ではなかったので
私は食料調達を2人に任せ、船番をしていた。
次の島は私にも上陸できるだろうか。
そろそろ陸地を歩きたい。
できれば大きな街があって
のんびり買い物とかできるような
そんな場所であってほしい。
そんな私の願いが通じたのか、島へ近付くと大きな港町が栄えているのが確認できた。
「ここじゃ目立ちすぎるな。」
「少し裏へ回ってみますか。」
「あぁ。」
ダズさんが舵を切る。
島の中心から右側に逸れると、岩場があった。
そこに船を着ける。
「久しぶりに人が住む島だな。」
「私、降りたいです!買い出し行きます!」
「好きにしろ。」
手を上げて主張すると
うるせェな、と言わんばかりの顔で
ダズさんが答えた。