陽のあたる場所へ 〜side story〜
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夕食後、アジトを出るときミドリに見つかった。
「おでかけですか?」
「あぁ。先に寝てろ。」
寂しそうな顔をした。
こいつは何か感づいているかもしれない。
正直後ろ髪引かれるが
俺は振り返らず、街へ向かった。
ーーーーーー
「誘いに乗ってくれたのはすごく久しぶりですね。」
「……たまたま気が向いただけだ。」
「気まぐれでも嬉しいです。」
自然と腕を絡めてくるレイナに
ミドリの姿を重ねる。
いや、あいつだったら腕なんか組まねぇな。
こんな胸元のあいた服も着ない。
自然と口元が緩んだ。
「クロコダイルさん、今日機嫌がよろしいですね?」
「そんなことはねぇ。前の所でいいか?」
「もっと安いホテルでも良いんですよ?」
「俺に恥をかかす気か。」
「うふふ。そういうところ大好きです。」
その言葉に、ふとミドリの言葉を思い出す。
『私はクロコダイルさんが大好きです。』
頭の中から無理矢理それを掻き消し、ホテルに入った。
ーーーーーー
部屋に入るなり、レイナは自分の上着を脱ぎ
俺のコートも脱がせた。
そのまま俺の首に手を回し抱き寄せると
誘うように目を閉じてキスをせがむ。
体を抱き寄せてキスをしてやる。
……が、目を閉じるとどうしてもミドリの顔が頭に浮かぶ。
嬉しそうに笑った顔。
すぐに感動して涙する顔。
俺たちを心配する顔。
時々見せる怒った顔。
俺を見送ったときの寂しそうな顔。
その全てが愛おしくて
あいつの代わりになんて他にないんだと気付く。
服を脱ぎながらベッドに座るレイナを見て
初めてアジトに来たときのミドリを思い出す。
服を脱いでベッドに上がり
全身を震わせていた。
「……わりぃな。」
俺はコートを羽織る。
「クロコダイルさん?」
「気分が乗らねぇ。悪いが帰る。金は払っておく。」
「そんな!ひどいです!待ってください!」
「それと、もう俺には関わるな。お前を抱くことは二度とない。」
泣きだすレイナを尻目に、俺はホテルを出た。
そのままアジトへ戻る気にはなれず
近くのバーでひとり、酒を飲んで帰ることにした。