最終章 〜船出〜
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腕を強く引っ張られる。
「痛い!離してってば!」
抵抗しても、やっぱり女の力では振り切ることはできなくて
自分の無力さに情けなくなる。
クロコダイルさんたちの周りでは、市長とその部下たちが銃を向けて囲っている。
でも2人は至って落ち着いていた。
「ずいぶん舐められたもんだな、ダズ。こんなもんでおれたちを抑えた気でいるらしい。」
「全くだ。」
「周りの奴らをやれ。おらはミドリだ。」
「へい。」
銃声が鳴り響くとともにダズさんの姿は消え
次の瞬間には市長を含め全員が倒れて気を失っていた。
そして、クロコダイルさんがコムズさんの手を蹴り上げると、地面にナイフが落ちる。
「いてぇ!!」
「物騒なもんをこいつに向けるんじゃねェよ。」
繋がれたままの腕で私を抱き上げて肩に担ぐともう一度蹴りを入れ、コムズさんは地面に倒れ込んだ。
「くっ……まさかお前のようなオッサンが、その子に惚れてるわけじゃないよな……」
「だったら何だってんだ。お前のような青二才には勿体ねェ女だ。」
コムズさんはそのまま気を失った。
クロコダイルさん…
今の言葉……
こんな状況なのに、なんだか顔が熱くなる。
「あの…もう大丈夫なんで下ろしてください……」
「あァ。」
「2人とも……本当にお強いんですね…」
「こんな奴ら相手なら力が出なくても足が使えりゃ十分だ。こいつら海賊を舐めすぎだ。」
「ミドリ、鍵だ。開けてくれ。」
「はい!」
ダズさんが見つけ出した海楼石の手錠の鍵を受け取って2人を解放する。
「あの…毎度毎度助け出していただいて、本当にありがとうございます。何とお礼を言ったらいいか……」
「んなこたァ後だ。海軍が来たら厄介だ。さっさと船を出すぞ。」
「こいつはもらっていこう。」
ダズさんは気を失っている市長の手からトランクを奪う。
そのまま船に乗り込み
私たちは島を出た。