最終章 〜船出〜
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最終章 〜船出〜
「本当に良いんですか?ついて行っても。」
今は夕食の最中。
2人とともに海に出る決意をしたものの
私はやっぱり不安がいっぱい。
「当たり前だろう。でなかったら来いとは言わない。」
先ほどまでのクロコダイルさんとのやりとりを思い出して顔が熱くなる。
あの後ダズさんが帰ってきたのですぐに離れてしまったけれど…
クロコダイルさんは確かに私を抱き寄せて、そばにいろ、と言ってくれた……
「ボスが決めたならおれは何も言うことはない。」
「でも…私戦えないし、敵の海賊や海軍との戦いになっても邪魔になるだけです。泳ぎもそこまで得意じゃないし、2人がもし海に落ちても助け出せるかどうか……」
「別におれたちはお前の助けなんか求めちゃいねェ。まぁ食事の面では助かるけどな。」
ダズさんはさほど興味もない様子で食べることに夢中になっている。
「誘ったのはおれだが、海に出るのはお前の責任だ。おれたちがくたばる時は一緒にくたばる覚悟でいろ。それが出来ねェなら来るべきじゃない。」
クロコダイルさんは食べる手を止めて真剣な顔つきになる。
「あの船から連れ出した瞬間から、お前の命はおれが預かってんだ。お前のことは必ずおれが守る。おれの命がある限りはな。それが筋だ。信じろ。」
私の目を真っ直ぐに見据えて
全ての不安を取り除いてくれる。
覚悟の決まっている男の人は
なんて格好良いんだろう。
そうだ。悩むことなんてない。
クロコダイルさんについていけば間違いない。
そこで命を落とす結果になっても、後悔なんて絶対にしない。
「わかりました!もうウダウダ言いません!2人についていきます!」
クロコダイルさんは満足そうに口角を上げ、
再び食事をし始めた。
ーーーーーーーーーー
夕食を終えると、日は完全に落ちていて暗かったが、3人で船への積み込みを始めた。
荷物を運んでいるときに
ふとクロコダイルさんが動きを止めて林の方へ目をやる。
「どうしました?」
「……誰かいるな…」
「怖いこと言わないでくださいよ。」
「確かに視線を感じる。見てきます。」
ダズさんは抱えていた荷物を下ろして
林の方へ向かった。