第七章 〜決断〜
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夕食を作っていると
クロコダイルさんが来て、隣で一服し始める。
「ミドリ、おれたちは海賊だ。こうやって追われるのも慣れてるから全く問題はない。でもお前は違う。」
「……はい…」
夕食を作りながらずっと考えていた。
そう、私はちゃんと2人の仲間になったというわけではない。
もちろん出来ることならずっと2人といたいし、一緒に行くこともできるだろうけど、
戦えない私が海に出れば、確実に2人の足を引っ張ってしまう。
私はどうしたら……
「……お前はここに残ることもできるんだ。」
「………」
「市長の息子と一緒になるのも一つだ。確実に安泰な生活が待っている。」
「そんなの……絶対に嫌です。」
自分の間違った行動のせいで、急に現実を突きつけられて、選択を迫られて、抱えきれない思いが涙になって溢れてくる。
「クロコダイルさんっ…私、どうしたらっ……2人の荷物にはなりたくないけど…そばにいたいです……」
返事はわかってる。
こんな時、クロコダイルさんはいつも「好きにしろ」って言うんだ。
私の気持ちを尊重してくれる人だから。
でも今その言葉を言われても……
私には決められない……
するとクロコダイルさんは、葉巻を一度灰皿へ置くと、右手を伸ばして
そのまま私の頭を抱き寄せる。
「おれと来い。」
彼の厚くて硬い胸元へ顔が押し付けられる。
「おれのそばにいろ。」
思いがけない言葉が
嬉しくて嬉しくて
彼の腰に手を回して泣いた。