第七章 〜決断〜
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早くクロコダイルさんと話がしたい。
ちゃんと謝って仲直りがしたい。
全部私の勘違いだった。
勘違いして怒って、嫉妬して
勝手にふてくされて
クロコダイルさんはもう私に愛想尽かしているかもしれない。
嫌われたかもしれない。
それでも、やっぱり彼のそばにいたい。
走ってアジトに戻ってきて
息を切らしたまま、クロコダイルさんの部屋のドアを開ける。
「クロコダイルさん!」
机に向かっていたようで、
クロコダイルさんは椅子ごと私の方を向く。
「おい、ノックをしろと言ったのはお前だろ。」
なんだか久しぶりに正面から顔を見た気がして
愛しさが溢れ出す。
私は彼の元に駆け寄り
その太い首に抱き付いた。
「ごめんなさいっ!」
その様子に彼は一瞬驚いたようだけど
すぐに頭に大きな手が置かれた。
「ずいぶん反省したようだな。」
「さっき街であの店員さんと会って、全部聞きました。」
「……そうか。」
「勝手に勘違いして怒ったりして、ごめんなさい。」
「そんな小さなことでは怒らねェがミドリ、もう二度と自分を捨てたらいいなんて言い方はするな。」
「はい…ごめんなさい……そばにいたいです。」
首元に顔を押し付けて
これでもかというくらい、抱きつく腕に力を込める。
クロコダイルさんはそれ以上何も言わず、背中をさすってくれた。
私は急に恥ずかしくなってクロコダイルさんから離れ、隣の椅子に座る。
「あの店員さんが言ってました。私が来てからクロコダイルさんが会ってくれなくなったって…私のせいだって……」
「……余計なことを…」
「なぜ会わなかったんですか?私と…何か関係があるんですか?」
「ミドリ。初めてここに来た日、おれの前で脱いで誘ってきたな。」
「あの時は…買われた男の人にはそうするように教え込まれていたから……」
「あの時、震えていたのを知ってるか?」
「…私がですか?」
「そうだ。体も声も震えていた。お前はそういうことには慣れてると言っていたが、心の底では嫌で嫌で仕方なかったんだろう。当たり前だ。若干二十歳の娘が、男どもから好きにされて平気でいられるわけがねェ。」
「………」
「だから、おれももう平気でそういうことはしたくねェと思ったんだ。たとえお前が知らないところでだとしてもな。」
クロコダイルさんは左手を伸ばして
鉤爪で私の頬を撫でた。
「お前に嫌われたくないんだ。」
「……どうしてそこまで、私に優しくしてくれるんですか…?」
「……お前が、おれの特別なんだろうな。」
鉤爪は頬を降りて顎に添えられて
顔を上げられ、真っ直ぐに見つめられる。
目を逸らせなくて
金縛りにあったように動けなくなる。
特別って……