第七章 〜決断〜
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第七章 〜決断〜
クロコダイルさんと喧嘩をして
謝ることができないまま3日が過ぎた。
毎日顔を合わすのが辛い。
何より間に挟まれているダズさんが、いつも気まずそうで、申し訳ない。
それに、私はやっぱりクロコダイルさんのことが大好きで
喧嘩をしている間も、いつも彼のことを考えていた。
仲直りしたい。
けど、仲直りの仕方がわからない。
モヤモヤした気持ちのまま
今日は街に薬草を売りに来ていた。
ドンッ——
「いたっ…!」
「わっ、すみません!」
考え事をしながら歩いていたせいか、誰かとぶつかってしまい、薬草を地面に落としてしまった。
「大丈夫?俺、よそ見してて。」
「こちらこそボーッとしててすみません。」
相手は背の高い好青年だった。
青年はすぐに私が落とした薬草を拾って渡してくれた。
「ありがとうございます。すみません、全部拾ってもらっちゃって。」
「君は、いつも薬草を売ってる子だね。」
「はい、そうです。あの…お会いしたことありましたか?」
「いや、でもこの街でよく見かけてたから知ってる。」
「そうだったんですか。」
「すごく可愛い子だなって思ってたんだ。」
「いえいえ、そんな!」
お世辞の上手な人だな。
まだ若そうなのに。
私はこの場を離れるタイミングを失ってしまった。
「あの…俺はコムズ。名前を聞いてもいいかな?」
ふと、クロコダイルさんの言葉が頭を過ぎる。
『街の奴らとはあまり馴れ合うな』
なんだか後ろめたいけど、悪い人じゃなさそうだし、名前くらい平気だよね?
「ミドリです。」
「ミドリか。あのさ、会ったばかりで変かもしれないけど、良かったら今度食事でもどうかな?」
「ごめんなさい。ちょっとそういうのは…」
「……はっきり言っちゃうけど、一目惚れだったんだ。ずっとこうやって話したいと思ってた。一度だけで良い。食事だけでも。」
「あの…本当にごめんなさい!仕事があるので。」
深々と頭を下げて、逃げるようにその場を離れた。
見た目もかっこいいし、背もスラっと高くて、きっとモテるんだろうな。
一目惚れと言われて、悪い気はしない。
でも、仲良くなるのはまずい。
申し訳ないけど、もし次会ってもあまり関わらないようにしよう。