第六章 〜喧嘩〜
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買い物を終え、アジトへと戻ってきた。
クロコダイルさんはすぐに自室へ入ってしまった。
私は洗濯物をしまって、夕食の準備に取り掛かる。
その間もずっと考えている。
あの店員さんは何を耳打ちしたのだろう。
考えれば考えるほど、あまり想像したくない2人の関係が見えてくる。
初めてあの服屋さんへ行った時、2人はすでに顔見知りだった。
男性ものの服もたくさん並んでいたし、ただの常連客と店員の関係かもしれないけど
もしかしたらあの人はクロコダイルさんの特別な人なのかもしれない。
あんな綺麗な女の人だ。
クロコダイルさんが惚れていても無理はない。
私は勝手に、クロコダイルさんには恋人はいないだろうと思っていたけれど、海賊でもあんなに魅力的な男性だ。世の中の女性がほっとかないだろう。
もしかしたらあの店員さんだけじゃないかもしれない。
ちゃんと本当のことを彼に聞きたい。
あの様子じゃ教えてくれそうにないけど。
クロコダイルさんに恋をして、それに気付いて
毎日とてもドキドキして
初めての恋にワクワクしていた。
私は今日
恋をすることの辛さを知った。
ーーーーーーーーーー
戻ってきたダズさんと3人で夕食を終えて
それぞれ自室で過ごしていると
隣の部屋のドアが開く音がした。
クロコダイルさんだ。
そのまま私の部屋の前を通り過ぎたかと思うと、玄関のドアが開く。
私は急いで部屋から出た。
「おでかけですか?」
「野暮用だ。気にするな。寝ていろ。」
それだけ言い残すと行ってしまった。
どうしよう。どうしよう。
きっとあの店員さんに会いに行くんだ。
さっきの耳打ちは今夜会う約束をしていたんだ。
私の中の未熟な女の感がそう言っている。
急いで上着を羽織り
クロコダイルさんを追いかけようと玄関を出たところで
後ろから呼び止められる。
「おい、どこに行く。」
「ダズさん。ちょっと街へ。」
「こんな時間にひとりでか。ダメだ。」
「大丈夫です。すぐに戻ります。」
「……ボスが気になるんだろ。」
あぁ、私の気持ちは
いつの間にやらダズさんにもバレバレだったんですね…
「……心配してくれるなら、ダズさんも一緒についてきてください。」
「めんどくせェから部屋に戻れ。」
「嫌です。すぐに帰りますから!」
私はそのまま街へと走った。