第五章 〜告白〜
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「……私が昼間ナミさんたちに言ったこと、覚えてます?」
「急に話が飛ぶな。何の話だ。」
「私はクロコダイルさんが大好きです。」
今、言ってしまおうと思った。
この気持ち全部。
「命の恩人だからじゃありません。ちゃんと一人の男の人として、あなたが好きです。」
きっと両思いではない。
「今も隣にいるだけで、すごくドキドキしています。」
それでもいい。
「だから私の知らないクロコダイルさんを知っているロビンさんに、正直嫉妬しました。」
私の気持ちを知っていてほしい。
「大好きなんです。」
真っ直ぐにクロコダイルさんを見つめる。
でもすぐに恥ずかしくなって目線をテーブルに落とす。
「あの……クロコダイルさん、きっと気付いてましたよね。」
「……薄々な。」
少し気まずそうに
クロコダイルさんは乱れた前髪をかきあげる。
「お前の気持ちはわかったが、それでおれにどうして欲しい。」
「……え?」
「おれの女にしてほしいか。抱いてほしいとでも言うのか。」
そんなこと…
この気持ちを伝えるのに必死で……
「……考えてませんでした。」
「……お前らしい。」
クロコダイルさんは葉巻を吸いながら
微かに口角を上げた。
なんか、少し嬉しそう?
「クロコダイルさんの女って…想像できないというか、私にはおこがましいというか……」
クロコダイルさんに抱かれる姿を思い描いて、顔が熱くなる。
恥ずかしくなり、ブンブンと頭を振って、その光景を吹き飛ばした。
「私はただ…私の気持ちを知っていて欲しかったんです。」
「そうか。」
「あと…お礼が言いたくて。」
「……?」
「私はこれまでの人生で、人を好きになることはありませんでした。こんな風に誰かのことを特別で、大切で、そばにいたいって思ったのは初めてです。こんな気持ちにさせてもらえて、感謝しています。」
クロコダイルさんは何も言わず
グラスの水を一気に飲み干す。
「あの……迷惑じゃなければ、好きでいてもいいですか?」
「……勝手にしろ。おれは寝る。」
葉巻を灰皿に押し付けて
クロコダイルさんは部屋を出る。
「はい。おやすみなさい。」
笑顔を向けてあいさつをし、
扉が閉まると同時に全身の力が抜けた。
言ってしまった。
全部言ってしまった。
まだドキドキしている。
でも、嫌がられなかった…
嬉しさと
恥ずかしさが交差して
その夜はなかなか寝付けなかった。