第四章 〜自覚〜
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バンッ——
勢いよく開いたドア。
ミドリに覆いかぶさっていた男2人は驚いてそこに目をやる。
「なんだてめェ!どっから入った!」
「おれのものに手を出すとはいい度胸だ。」
その部屋にはクロコダイルの宝。
そして、裸にされたミドリ。
「……クロコ…ダイル、さん…?」
ミドリに
焦点の合わない瞳で見上げられれば
ブチブチと額に血管が浮き上がり
怒りが露わになる。
「クロコダイルだと!?」
「やべェ!逃げるぜ!」
「逃がすわけねェだろ。」
鉤爪のカバーを外すと
目にも留まらぬ速さで敵2人の胸を貫く。
その瞬間2人は胸を押さえて床に倒れ込み
苦しみに悶えた。
「お前らはその毒に苦しんで死ね。」
私は男たちが苦しむ声で、だんだんと意識がはっきりとしてきた。
すぐに状況を理解しようと頭をフル回転させる。
目の前には…
「……クロコダイルさん…?」
「あァおれだ。ミドリ、無事……じゃねェか。」
こんな姿、絶対に見られたくなかった。
「…っダメ!ダメです!見ないで!見ないでくださいっ!!」
腕を縛られているので
自分の哀れな格好を隠す術がなく
精一杯顔を背ける。
クロコダイルさんは何も言わずに手首の紐を切り
肩にかけていた上着を取ると
私の全てを包んでくれた。
暖かな温もりに涙が溢れる。
「……これはお前をひとりにしたおれのミスだ。悪かった。」
彼は大きな腕を伸ばし
上着ごと強く抱き締めてくれた。
「うっ…うぅぅ……」
男たちへの恐怖と
それから解き放たれた安心感と
助けに来てくれた嬉しさ
また会えた喜び
抱えきれない感情が涙とともに一気に溢れ出す。
「帰るぞ。」
クロコダイルさんは私を抱いたまま
足の下に片手を回すと
軽々と抱き抱え、立ち上がった。
「帰りたいです…っ…」
私も彼の太い首に手を回し、顔を埋める。