第四章 〜自覚〜
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2人が海へ出て10日目。
街で薬草を売り終えてアジトへ戻ってくると
異変に気付いた。
海岸に船が停泊しているけど
クロコダイルさんのものではない。
アジトの入り口に向かえば
ドアが壊されて開いていた。
中で誰かが動く気配がする。
一度林に隠れよう。
そう思って振り返ると
「おうおう、お姉ちゃん。この家の女か?」
目の前に大きな男の人。
すぐに腕を掴まれる。
「誰!?離して!!」
その声を聞いて
中からも男が一人出てきた。
手には宝の入った袋。
倉庫にあったクロコダイルさんのものだ。
「泥棒!!それを返してよ!!」
「おお、威勢のいい姉ちゃんだな。」
怖い 怖い 怖い
私殺される?
それよりも、クロコダイルさんの大事な宝が…
「ちょうどいい。お前も来い。金になる。」
強い力で腕を引かれて抵抗できない。
船にはもう2人男が乗っていた。
海賊ではないようだ。
「お、いい女連れてきたじゃねぇか。」
「だろ?人買いに高く売れそうだ。だがその前に俺たちで回そうぜ。」
「そりゃあいい。」
男たちの会話を聞いて背筋がゾッとする。
また奴隷のときのように
玩具にされてしまう。
「離して!嫌!宝も返して!!」
ゴッ——
「うっ………」
出る限りの力を出して抵抗すれば
頭の後ろに大きな衝撃が走って
私は意識を手放した。
ーーーーーーーーーー
その頃、島付近の海上まで
クロコダイルとダズが戻ってきていた。
もうすぐアジトが見えてくるであろう距離まできて
前方を見ていたダズが異変を察する。
「クロコダイルさん、船が。」
「あ?何だ?」
「アジトの海岸から船が一隻出て行きますぜ。」
「……嫌な感じだな。」
「追いかけますか?」
「……まずミドリの無事を確認だ。」
「はい。」