第四章 〜自覚〜
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
第四章 〜自覚〜
今日はクロコダイルさんとダズさんが
海へ出る日。
朝食時に
いつもの航海は2〜3日で帰ってきていたけど
今回は長くなりそうだと言われた。
「待ってますから、絶対帰ってきてくださいね。」
「心配するな。倉庫に金があるから、必要なら使え。」
「私も薬草売って少しずつ貯めてるんです。大丈夫ですよ。」
得意気に言ったら
クロコダイルさんは眉間にシワを寄せた。
「お前が出稼ぎに行くのはいいが、街の奴らとはあまり馴れ合うな。」
「……?」
「お前が海賊の仲間だと知られれば、ここで生き辛くなるのは明らかだ。おれたちはいつここを出て行くことになるかもわからねェ。そうなった時、お前だけでもここに残るとしたら、海賊だとバレねェほうがお前のためでもある。」
「…わかりました。でもお2人がここを出るときは、私も一緒です。」
「……好きにしろ。」
2人が出航の準備をしている間
私は船に食料と薬類を運んだ。
そしてマストの下にてるてる坊主を吊るす。
「……おい、なんだそれは。」
後頭部の上から明らかに不機嫌そうなクロコダイルさんの声が落ちてきた。
「作ったんです。あの…クロコダイルさんは雨が苦手だから…」
「苦手なわけじゃねぇ。嫌いなだけだ。」
「傑作ですね。とても元七武海が乗ってる船とは思えねぇ。」
ダズさんが笑っている。
「すぐ外せ。おれに恥をかかす気か。」
「……ごめんなさい。」
仕方なく外し
こっそり室内に吊るし直しておくことにした。
「じゃあこれ今日の分のお弁当です。食料も多めに積んでおきましたから。」
「あぁ、助かる。出るぞ、ダズ。」
「へい。」
「お気をつけて。いってらっしゃい。」
船は旋回して
風を受け勢いよく進み出した。
「無事を祈ってます!!」
遠く見えなくなる頃
最後に大きな声で叫べば
クロコダイルさんが軽く手を上げてくれた。
無事戻ってきますように。
出航してから1週間。
2人はまだ帰ってこない。