第三章 〜目標〜
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「ただいま戻りました!クロコダイルさん!ダズさん!」
アジトに着き、キッチンに荷物を置いて
2人を探す。
何やら話し合いをしていたようで
2人はクロコダイルさんの部屋から出てきた。
「珍しく騒がしいなミドリ。」
「クロコダイルさん、街の向こうの港で海賊同士の抗争だそうです。街に銃声が聞こえてて…」
「おれのナワバリで生意気だな。どこのどいつだ。」
「行きますか?」
「あァ。いい暇つぶしだ。」
クロコダイルさんはニヤリと口角を上げた。
「ミドリ、お前はここにいろ。」
「いいえ!私も——」
「戦いはおれたちの仕事だ。お前の仕事はなんだ、ミドリ。」
「でも……」
私がここに来てからこんなことは初めて。
前の船で何度も見てきた海賊同士の戦い。
それは命をかけた殺し合い。
2人の強さは知っているし
私がついて行っても邪魔なだけなのはわかるけど
もしも
もしもこのまま2人が戻らなかったら…
不安そうな顔をしていたようで
クロコダイルさんの大きな手に
髪をくしゃっと撫でられる。
「うまい夕食を期待している。」
この掌はいつも私を安心させてくれる。
「…お気をつけて。」
頭を下げて2人を見送った。
その後は夕食の準備をしながらも
気が気じゃなかった。
心配で心配でたまらない。
こんなに誰かのことを心配したのは
生まれて初めてのことだ。
夕食を作り終え
しばらく待っても2人は戻らず
落ち着かない私は
アジトの外で2人を待つことにした。
雨は激しさを増し
私の不安な心を煽ってくる。