第二章 〜ともに〜
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買い出しを終えてアジトに帰ってきた。
さっそく2人のために食事の準備を始める。
2人は体が大きいから
きっとたくさん食べるんだろう。
お店に住み込みで働いていたときに
いつも自炊をしていたので料理は得意。
でも誰かのために作るなんて初めてで
少し緊張しながら2人に出した。
「サラダとスープと、シーフードのパスタにしてみました。」
「……悪くない。」
「あァ。なかなかいい味だ。」
私の作った料理を
2人が食べてくれている。
それだけで目頭が熱くなって
涙が溢れてくる。
「てめェそのいちいち感動するの、なんとかならねェか。」
「ごめんなさい…2人の役に立てて…喜んでもらえて嬉しくて…」
「そこまで褒めてねェだろ。やりづらいやつだな。」
「クハハハハ。お前らいつの間にか仲良くなったじゃねェか。」
クロコダイルさんも何やら機嫌が良さそうだ。
笑った顔を見たのは初めてだ。
「酒でも飲むか。」
「いいですね。この間敵船から奪ったいい酒がある。」
ダズさんがキッチンからお酒を出してきて
クロコダイルさんが私のグラスに注いでくれる。
「お前も飲めミドリ。」
「このお酒…変な薬は入ってないですか?」
海賊たちからお酒を飲まされるときは
いつも媚薬が入れられていた。
体が変になる薬だ。
「そんなことするわけねェだろ。」
「おれたちのことは疑うなミドリ。気にせず飲め。過去は忘れろ。」
「はい、いただきます。」
初めて美味しいと思えるお酒だった。
お酒が入ると
少しずつ楽しくなってきたようで
いつも表情の硬い2人にも笑顔が垣間見えた。
この人たちなら信じられる。
この人たちとなら
きっと幸せにやっていける。
出会ったばかりだけど
ともに生きていくことに
不安は全くなかった。