〜最終章〜
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「本当なの?ミドリ。」
お母さんは目を丸くしていた。
「うん…お付き合いさせてもらってるの。」
「あの英雄とうちの娘が……」
こんなに驚いた顔のお父さんは初めて見る。
「ちゃんとした恋人がいるなら早くいいなさいよ!だったらあんなお見合い話——」
「お母さんっ、それは——」
「僕がいけなかったんです。」
「……コビー?」
「僕が長期任務で本部を離れていて、ミドリさんに寂しい思いをさせていたんです。ミドリさんの気持ちが揺らいでも仕方ない。」
「コビー、私そんなつもりは……」
「ご両親にも心配をおかけしてすみません。」
「いえいえ、そんな……」
コビーはチラリと私を見た後
真剣な顔で2人に言う。
「僕はミドリさんと結婚したいと思っています。」
「結婚!?」
思いもよらない嬉しい発言に
言葉にならないほどの感情が湧き上がる。
コビーがそんなことを考えてくれていたなんて。
私は、会えないことが寂しくて
毎日毎日信じて待つことしかできなかったのに
コビーは先のことを見据えていた。
「ミドリ、急にごめん。びっくりしたよね。でもご両親に会える機会なんて滅多にないから、ちゃんと僕の気持ちを話しておきたいんだ。」
「……うん。」
本当に素敵な人だ。
「もうこれ以上ミドリさんに寂しい思いをさせないように努力します。どうか、今後もミドリさんと付き合うことを認めていただきたいです。」
コビーはもう一度頭を下げた。
「こちらこそ、娘をよろしく頼む。」
「ええ、あなたみたいな人なら安心だわ。」
お父さんもお母さんも少し驚いていたけど
嬉しそうに笑った。
「いい人を見つけたわね。」
お母さんが優しく笑いかけてくれて
私も笑顔で頷いた。
2人ともう一度抱き合って
私はコビーと一緒に船に乗った。
2人は海岸から見えなくなるまで見送ってくれていた。
「“海軍本部大佐夫人“。なかなかいい響きね。」
「お母さん、そういうのやめなさい。」