〜第一章〜
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そのまま何日かしたある日、通信が入る。
『医療班に注ぐ!軍艦一隻まもなく帰港!重傷者多数につき、救援を求む!手のあいているものは海岸へ!繰り返す——』
私は事務仕事を中断し、医療器具を手に医療班の皆と足早に海岸へ向かう。
このような通信が入ることは珍しくなかった。
海賊との戦いから帰ってくる仲間たちはいつも負傷していた。
中には命を落としている人もいる。
ひとりでも多くの人を助けたい。
今日もその一心で、帰ってきた軍艦を迎える。
私たちが海岸に着く頃には
すでに軍艦が到着していた。
「救援感謝します!重病人から降ろしています!処置、搬送をお願いします!」
中心になって支持を出している人がいる。
きっとこの軍艦の指揮を取っていた人だ。
私は怪我人を運ぶストレッチャーを押しながら
その人の横を通って、次々と人が降りてくる船の方へと急ぐ。
「あの!もしかして、ミドリ!?」
その人から呼び止められ、驚いて立ち止まる。
「ミドリですよね!?僕です!コビーですよ!」
「コビー!?」
うそ。まさか。
突然の再会。
衝撃のあまり、一瞬周りの喧騒が聞こえなくなる感覚に陥った。
コビーもまた、驚いた表情で私を見つめていた。
この人が、あのコビー。
こんな立派な男性が……
「大佐!ガープ中将がお呼びです!」
「あ、はい!すぐに行きます!」
「ミドリ!ストレッチャーをこちらに頼む!」
「はい!」
同時に呼ばれて2人とも我に返る。
「あの、失礼します!」
何より今は怪我人が優先。
私は再び走り出すと
後ろからコビーの声が聞こえた。
「ミドリ!話がしたい!ここが落ち着いたら食堂で待ってます!!」
「……はい!また後で!!」
私は一言そう返すのがやっとだった。
かなり動揺していた。
でも心をなんとか落ち着かせて
目の前のやるべきことに集中する。
被害は甚大。
でも幸い死者はいなかった。
全ての怪我人を医療室へ運び
処置を終える頃には夜7時を回っていた。