〜最終章〜
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
〜最終章〜
海軍本部・医療棟。
「ミドリさん、この書類は……」
「あぁ、それはね……」
コビーが長期任務で本部を離れてから
半年の月日が経った。
医療班には後輩も入って
私は忙しい日々を送っていた。
コビーのことを思い出さない日はない。
泣きそうになったことも、何度もあった。
その度に、コビーが残してくれたメモを開いた。
本部に兵士の殉職者の知らせが入るたびに
胸がドキッとした。
そこにコビーの名前がないことに胸を撫で下ろしながら
大好きな人の帰りを待つ日々。
「よう、ミドリ。」
食堂で昼食を取っていると
ヘルメッポさんに声をかけられた。
「ヘルメッポさん。久しぶりですね。」
「あぁ。隣いいか?」
「もちろん。」
「コビーの留守にお前と2人になるのは気が引けるが、あまりにも冴えない顔してやがるからよ。」
「え?私ですか?」
「他に誰がいるんだよ。」
「顔に出てますかね、やっぱり……」
「……もう半年か。そりゃ寂しいよな。」
「コビーから連絡は?」
ヘルメッポさんは首を横に振る。
「俺にも居場所はわからねェ。俺たちは待ってるしかねェよ。」
「……そうですね。」
「元気出せよ!」
「はい。ありがとうございます。」
ヘルメッポさんとは会うたびコビーの話になった。
長くコンビを組んでいた親友に会えなくて
ヘルメッポさんもどこか寂しそうだ。
でも彼の言う通り、信じて待つことしかできない。
コビーが基地から本部へ招集されたとき
2年間会えなかった。
もちろん辛かったし
会いたくて仕方なかったけど
その時と今とでは気持ちが全然違う。
今はコビーを愛し、
愛される喜びを知ってしまった。
あの2年に比べれば、まだたった半年なのに
コビーの存在が私の中で大きくなりすぎていて
寂しい気持ちを処理できないでいる。