〜第九章〜
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「キスして?」
「え……」
顔を上げて言えば、コビーの表情が固まった。
我ながら調子に乗ってしまったかもしれない。
抱き締めてくれるだけで十分だったのに
もっと欲しがってしまったのは
それだけコビーのことが大好きだから。
「……コビーから、してもらったことないなと思って…」
「いや、でも……」
困らせてるのはわかってる。
でも次いつ会いに来られるかわからないし
どうしても、今して欲しかった。
「お願いします。」
目を閉じてみる。
コビーが焦っている空気を感じる。
そろそろとコビーの手のひらが
私の両頬に添えられて、上を向かされる。
次の瞬間
唇にやわらかい感触。
コビーらしい、優しいキス。
3回目のキス。
すぐに唇は離れて
恥ずかしくて下を向く。
コビーも何も言わない。
沈黙が怖くなって顔を上げれば
もう一度唇が押しつけられた。
驚いて反射的に体を引こうとしたら
同時に頭を抑えられて
もう片方の手は腰に回されて、逃れられない。
さっきのとはまるで違う。
何度も何度も
付いては離れを繰り返す
噛み付くような荒々しいキス。
「……ごめん、止まらない…」
もう一度唇が重なる。
私の腕を取って自分の首に回させて
腰に回した手は、力強く私を抱き寄せて
角度を変えながら
少し乱暴な、ついばむような口付け。
なんだかコビーじゃないみたい。
私もコビーの髪に指を通して頭を抑えながら必死に応える。
次第に2人の息が上がってくる。
最後にちゅっと音を鳴らして
唇はそっと離れた。
コビーは申し訳なさそうな顔をして
優しく髪を撫でながら抱き締めてくれる。
「ごめん、びっくりした?」
「ちょっとだけ。でも…嬉しいよ。」
初めてコビーの“男“の部分を見られた気がした。
「……ミドリ、抱きたい。」
耳元で急にささやかれて
顔がぶわっと熱くなる。