〜第一章〜
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〜第一章〜
それから2年の月日が経って
私は18歳になり
今、新世界にある海軍本部へと向かう船に乗っている。
先日、海軍本部から医療班拡大に伴った隊員募集の知らせが各支部へ届いた。
見習いを卒業したばかりの私は
両親から反対されながらも迷うことなく名乗り出て、なんと採用されたのだ。
希望した理由には、彼に会いたいから、という下心もあるけど
海軍本部という今まで以上に過酷な場所で医療の勉強をしながら、もっとたくさんの人を救いたい、という気持ちが強かったから。
数日波に揺られて
待ちに待った海軍本部に到着した。
「ここが海軍本部。」
目の前の迫力に圧倒される。
私が今まで働いていた支部の何倍もの大きさの要塞。
それを前にして気持ちが引き締まるとともに
ここのどこかに彼がいるんだ、と思うと胸が高鳴った。
2年間会わない間に、コビーが大佐にまで昇格していることは、新聞の記事を読んですでに知っていた。
大佐って言ったら、海軍将校になるという彼の当初の目標はとっくに達成している。
手紙で公言していたとおり、彼は立派に成長しているんだ。
私は彼に恥じないような女性になれているだろうか。
……すごく遠く感じる。
支部で一緒に食事をしていた彼は
もういないかもしれない。
私のことなんて
とっくに忘れているかもしれない。
会いたいと思う気持ちと
もし忘れられていたら、と思う気持ちが交差する。
本部での仕事が始まり、数日経っても
私は彼を探すことができないでいた。