〜第九章〜
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楽しい時間はあっという間で
すぐにコビーが仕事に戻る時間になる。
なんだか離れ難い。
「ありがとう、ミドリ。お弁当も美味しかったし、来てくれて嬉しいよ。」
そうやって気持ちを真っ直ぐに伝えてくれるコビーが
大好きで、愛おしい。
コビーがドアノブに手を掛ける。
「待って…」
その手を抑えて
コビーが首にかけていたタオルを掴んで引き寄せて
精一杯の背伸びをして
キスをした。
2回目のキス。
コビーはあの時のように驚いた顔をして固まった。
「……仕事頑張って。じゃあ、またね。」
2回くらいじゃ慣れるわけもなく
私も恥ずかしさに顔が熱くなって
逃げるように部屋から出て行った。
自分の部屋へ帰ろうと足早に歩き出すと
後ろからドアが開く音がする。
「ありがとうミドリ!またいつでも来てよ!」
「うん!また!」
振り返って手を振れば
コビーも手を上げてくれた。
ーーーーーー
それからまた数週間、会えない日が続く…
「そんなに会ってないの?」
「はい。寂しいです……」
仕事を終え、夕食後レイラさんと部屋でくつろぎながら、コビーとのことを話していた。
「同じ本部内で暮らしてるはずなのに、なかなか会えないなんて辛いわね。」
「最近はよく海へ遠征も行ってるみたいで、本部にもほとんどいないみたいです。」
「大佐っていうのは本当忙しいのね。」
「よくわからないんですけど、大佐の仕事以外にも、何か特殊部隊にも所属しているようで…」
「まぁもともと海軍は人手不足だし、兵士を彼氏に選んだからには、忙しくて会えないのは仕方ないわね。」
「はい……」
「でも、大佐ってことは自室があるんでしょ?行っちゃえばいいじゃない。」
「何度か昼休憩に行ったことはあるんですけど、休憩が取れないことも多いみたいで、行っても会えなかったりで…」
「昼じゃなくて夜に、よ。」
「夜?」
「遠征以外はさすがに自室で寝るでしょ?なら夜だけでも会いに行けるじゃない。」
「でも仕事が終わったらすぐ眠りたいだろうし…」
「一緒に寝ればいいじゃない。」
「えぇ!?」
「付き合ってるんでしょ?自然なことよ。」
「で、でも……」
私はお泊まりデートの時のことが頭に浮かんだ。
思い出しただけでも顔から火が出そう。
それに、一緒に寝たらまたコビーが寝不足になってしまう。
「顔真っ赤。可愛いわね、ミドリ。」
レイラさんに頭を撫でられる。
「一緒に寝るとか、私たちにはまだ早い気が……」
「なら会いに行くだけでもいいじゃない。寝る前に少し話をするだけでも、気持ちは満たされるんじゃない?」
「……そうですね。それなら。」
会えない日が続けば続くほど
会いたい気持ちは大きくなっていった。
コビーはどうだろう?
忙しい日々の中で、少しでも私を想ってくれるときはあるのかな。
会いたいと思ってくれているかな。