〜第八章〜
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電気を常夜灯だけにして、布団に入る。
2人仰向けで天井を見上げている。
「じゃあ、おやすみ。」
「うん、おやすみ。」
ダブルベッドで広いとはいっても
すぐ横にコビーの顔がある。
触れている右肩がくすぐったい。
薄暗い中で同じ布団の中にいるのは
今まで経験したことのないような
緊張と恥ずかしさと嬉しさと
全部が混ざったような感覚。
チラッと右を見ればトレードマークのバンダナとメガネを外して、乱れた髪から額が覗いているコビーの横顔。なんだか新鮮。
目を瞑ってる。
もう寝ちゃったかな?
私はといえば、心臓がうるさい。
自分から一緒に寝ようって言ったけど、眠れるかどうか……
本当は腕枕とか、ちょっと憧れる。
でもこれ以上コビーに何かをお願いするのは気が引けて
私も同じように目を閉じる。
「……あのさ」
ポツリとコビーが呟いたので目を開ける。
「手くらい繋いでもいいのかな。」
独り言のように言っていて
それがなんだかおかしくて顔がにやけてしまう。
触れたいのは私だけじゃなくて
コビーも同じなんだ、と嬉しくなる。
「うん。」
私はコビーの方に体を向けて
布団の中でコビーの手を探し出して指を絡めた。
温かい手。
コビーもこちらを向いてくれる。
すると
「わ。ちょっと待って。ボタンボタン。」
何を見たのか、言いながら焦って顔を背け、手で私の胸元を隠した。
見ると、パジャマの一番上のボタンを掛けてなかったので、横を向いたことでチラリと胸元が見える。
でも私の胸は豊満な方ではないし、薄暗いし、谷間もほとんど見えないくらいなのに。
「たいして見えてないよ?」
「でも気になるから!ごめん。ボタン閉めて。」
暑いからあけていたんだけど
仕方なくボタンをとめる。
「はい。ちゃんととめたよ。」
「ありがとう。」
「じゃあ、おやすみなさい。」
「うん、おやすみ。」
私たちは再び目を閉じる。
右手からコビーの体温を感じる。
さっきと違って向き合っているからか、呼吸音も耳に入ってくる。
最初は緊張していたけれど、だんだんとそれが心地よくなってきて
いつの間にか私は眠りについていた。