〜第八章〜
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ふわっと体が浮き上がる感覚がして
目を開ける。
状況を確認すると
コビーに抱き抱えられていた。
「……わっ、ごめん。」
「あ、起こしちゃった?」
そうだ。
私、コビーがシャワーから出るのをソファーに座って待ってて
いつの間にか寝てしまったんだ。
「ソファーで寝てたから、そのままだと風邪引いちゃうし、ベッドに運ぼうと思って。」
言いながらコビーはそっと下ろしてくれて、私はベッドの縁に座った。
「ごめん、ありがとう。寝るつもりなかったんだけど。」
「疲れてるんだよ。そのまま寝な?」
優しく髪を撫でられる。
「…コビーは?寝ないの?」
「ん…まぁ、僕のことは気にしないで。」
気まずそうに目を逸らすコビー。
「……ソファーで寝るの?」
「うん、そのつもりだよ。」
よく見ると、私とお揃いのパジャマ。
どちらもホテルのものだから当たり前だけど。
なんだか嬉しいような恥ずかしいような。
そのパジャマの裾をぎゅっと掴む。
「一緒に寝ようよ。」
言った瞬間、耳まで真っ赤になるコビー。
「まいったな……」
隣に座って頭を掻く。
「私のやりたいことは全部受け止めてくれるって言ったでしょ?」
ちょっとわがままで、意地悪な言い方をしちゃったかな。
コビーは膝の上で拳を握った。
「わかった。一緒に寝るよ。」
「本当?」
「でもミドリ、もし僕が少しでもミドリに変なことをしたら、思いっきり顔を叩いて。」
「え?」
「実は……僕、ミドリとまだ付き合う前、熱を出して寝ているミドリに、勝手にその……キスしてしまったことがあるんだ。」
「えぇ!うそっ…キスって……」
コビーからの急な告白に驚きを隠せなかった。
熱を出したとき、コビーが寄り添ってくれてたのは覚えてる。きっとその時だ。
全然気付かなかった。
「あ、でもおでこだよ。口じゃない。口は本当にさっきのが初めてで……」
自分で言って思い出したのか
コビーはまた顔が赤くなった。
「あの、そのことは謝るよ。勝手にその、寝てるミドリにしちゃって…いけないことだったと思う。ごめん。」
「いいよ、そんなの…」
「でも…だから、自分で自分が怖いんだ。その時も無意識だったし…ミドリのことになると歯止めが効かない。」
コビーは私の頬に片手を添える。
「好きすぎて、止められなくなるかもしれない。だから、ちゃんとミドリが止めて欲しいんだ。」
「うん…わかった。」