〜第七章〜
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その日の昼休み。
約束通り食堂でコビーと食事をした後
今日はあの中庭で過ごしていた。
「今日、ガープ中将に呼び出されて。」
「ええ?どうしてガープさんがミドリを?」
「…観光島のホテルの宿泊券をもらったの。」
「……まさか…」
「コビーと行ってこいって…」
私は言いながらだんだんと恥ずかしくなってくる。
コビーは隣で頭を抱えていた。
「あの人は何を考えてるんだ。昨日あんなに僕が断ったのに。」
「私の休みに合わせてコビーを休みにしてくれるって。観光島なんて行ったことないし、こんな素敵なホテルに泊まれる機会なんてなかなかないだろうし、私は行きたいと思うんだけど…コビーと……」
「ミドリわかってる?泊まるってことは…その…一緒の部屋で寝るってことだよ?」
「わかってるよ……私も考えただけで緊張する。」
顔が熱くなる。
コビーも同じように顔を赤くして
でもすぐに、決心したように目を見開いて頷いた。
「……わかった。行こう。」
「やったぁ!」
「でもホテルの部屋は別々にしよう。」
「え?でも宿泊券には一部屋って…」
「大丈夫。もう一部屋分は僕が払うから。そうしよう。」
コビーの気持ちもわかる。
私たちはまだ付き合い始めたばかりで
一夜を共にする、なんてまだまだ先の
大人の世界のことだと思ってた。
どうしたって意識してしまうし
緊張して眠れないかもしれない。
コビーと初めての“そういう事“をすることになるかもしれない。
でも、コビーとなら何も怖くないのに。
せっかく2人でのお泊まりデートなのに
別々の部屋……
私が残念そうな顔をしていたのか
コビーは私の手を取り、顔を覗き込む。
「ごめん。嫌なわけじゃないよ?ただ…大事にしたいんだ。」
「大事に?私を?」
「そうだよ。僕だって男だ。ミドリと夜同じ部屋で寝たら…正直何するかわからないよ。情けないけど、自分を止められる自信がない。」
「……コビーは彼氏なんだから、私のことは好きにしていいんだよ?」
本心だった。
でも言った瞬間コビーは顔を隠すように自分の手の甲を鼻に当てて、顔から湯気が見えそうなくらい真っ赤になった。
「だ、ダメだよ!僕らはまだ18だし!清く!正しく付き合っていかないと!」
あまりに必死なコビーに
私は思わず笑ってしまった。
心から愛おしい。
「わかった。じゃあ部屋は別々。これでいい?」
「うん。ありがとう。」
コビーも満足気に笑った。
本当は少し残念だけど、焦る必要もないし
今回はこのデートを思いっきり楽しもう。
それから2週間後、
ついにその日が来る。