〜第七章〜
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次の日。
仕事をしていると、医療班の上司に声をかけられる。
「ミドリ、ガープ中将が君を呼んでいるらしい。」
「えっ、ガープ中将が?」
「とにかくすぐ行ってくれ。」
「は、はい!」
なんだろう、急に。
ガープ中将とは、遠征の時に船の上で話した以来だ。
こんな大物に呼び出されることなんてないので、私は緊張しながら、指示された部屋へ向かった。
表札には「中将 ガープ」と記されている。
恐る恐るドアをノックする。
トントン——
「医療班のミドリです。」
「おう、入れ!」
中から元気な返事が聞こえたので
ドアを開けて中に入る。
コビーの部屋と比べるととても広い部屋。
ガープ中将は大きな机に着き、こちらを向いて座ってお煎餅を食べていた。
「お疲れ様です。失礼します。」
「久しぶりじゃな、ミドリ。急に呼び出して悪かったな。」
「いいえ。あの…今日は何か?」
「うちのコビーのコレになったと聞いてな。」
ガープ中将は嬉しそうに左手の小指を立てた。
「む…コレって言い方、もう古いか。まぁなんだ、わしも嬉しいんだ。コビーは孫のように可愛いからな。」
そうか。
ガープ中将はいわば海軍でのコビーの父親のような、祖父のような存在。
ちゃんとご挨拶しなくちゃ。
「あの、コビーさんとお付き合いさせていただいてます。仕事の邪魔にはならないように気をつけますので。」
「いいんじゃいいんじゃ。昨日コビーから聞いてな、もっと強くなりたいからって今日から新しい特訓メニューを始めおった。わしは君に感謝したいくらいだ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「今日呼んだのはそのお礼と、これを渡そうと思ってな。」
ガープ中将から封筒を渡される。
「これは?」
「ホテルの宿泊券だ。」
「ホテル?」
「本部から船で2時間ほど進んだところに有名な観光島があってな。そこのホテルの宿泊券をもらったんだが、わしは使わないからな。」
「それを私に?」
「コビーと泊まってきたらいい。」
「コビーと……」
私は封筒を手に固まる。
つまり…コビーとお泊まりするってこと?
デートに行きたいとは言っていたけど
いきなりそんな…
どうしよう……
「昨日コビーに渡そうとしたんだが頑なに断られたんだ。まだ早い、とかなんとか言って。」
渡されて焦っているコビーの姿が目に浮かぶ。
「ミドリに渡せばもらってくれるだろうと思ってな。」
ガープ中将はにっと嬉しそうに笑った。
封筒に目をやる。
有名な観光地のホテルなんて
滅多に泊まれるようなところじゃない。
行きたい。
コビーと一緒に。
「…ありがたく使わせていただきます。」
「おお、よかったよかった!ミドリの休みに合わせて予約はわしが入れておいてやるから、日が決まったら教えてくれ。もちろん、コビーの休みも保証する。」
「ありがとうございます。」
「じゃ、暇なら煎餅でも食っていけ。」
「あの、まだ仕事があるんですけど…」
「一枚だけ。な。」