〜第六章〜
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ミドリと別れると
コビーは通路を変えて、医療棟にある医療班の部屋へと向かった。
「失礼します!」
「……コビー大佐…」
会いに来た相手はグレイスだった。
「グレイスさん、よかった。ここにいて。」
「何か用でも?廊下に出ましょうか。」
「あ、すみません…」
2人は廊下に出る。
「フラれた僕を笑いにでも来たんですか?」
「そんなんじゃありません。あなたには、大切なことに気付かせてもらえたから……お礼を言いたくて。」
「僕はあなたにミドリを諦めさせるために適当な理由を言っただけです。お礼なんて言われても…惨めになるだけだ。」
「……ミドリは、必ず僕が幸せにします!」
「……彼女が僕に言った言葉、知りたいですか?」
「え?」
「僕が彼女を幸せにすると言ったら、彼女『自分を幸せにできるのはコビーだけだ』って。もう君達の間には僕の入る隙間なんて全くなかったんだ。」
グレイスはコビーの胸ぐらを掴む。
「彼女を泣かせたら僕があなたを殴りに行きます。」
「……はい。肝に銘じておきます!」
最後に敬礼をして、コビーは去っていった。
と、医療班の部屋のドアが開く。
「……コビー大佐とうまくいったのね、ミドリ。よかった。」
「レイラ。盗み聞きか。趣味悪いな。」
「聞こえちゃったのよ。一杯付き合おうか?」
「……そうだな。頼む。」
ーーーーーー
コビーが自室のドアを開けると
すでにそこには少し酒に酔い、顔が赤くなったヘルメッポがいた。
「よぉコビー。待ちくたびれたぜ。どうだったよ?」
コビーはヘルメッポの前に正座をし
両手で拳を握って膝に置く。
「ミドリと…お付き合いすることになりました。」
「マジかよ!?やったな、オイ!!」
自分のことのように喜び、ヘルメッポはコビーにグラスを持たせ、そこに並々と酒を注ぐ。
「ヒヤヒヤさせやがって。乾杯だ!」
「はい!ありがとうございます!」
チン、と2人グラスを合わせる音が部屋に響く。
「僕、必ずミドリを幸せにします。大事にします。」
「まぁお前ならできるだろ。」
「でも僕、女性とお付き合いするのって生まれて初めてで…」
「んなこと知ってる。」
「どうしたらいいんでしょう?毎日会いに行くべきなんでしょうか?」
「まぁ仕事に差し支えねぇ程度に、でいいんじゃねぇか?」
「でも…海に出ているときは難しいでしょうけど、できれば毎日会いたいです。」
「じゃあミドリをこの部屋に誘えばいいじゃねぇか。毎日仕事が終わった後にでもよ。したら毎晩好きなだけヤりたい放題で——」
「僕は誠実な付き合いをしていきたいんです!!」
急なコビーの大声にヘルメッポは耳を塞ぐ。
「ならまず昼飯でも誘えばいいだろ。」
「…そっか。そうですね。まずは昼食休憩を一緒に……」
「まぁそれじゃあ今までと変わらねぇけどな。」
このまま朝方までコビーの恋愛相談は続いたという。
〜第七章に続く〜