プロローグ
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それからコビーとヘルメッポさんは
怪我をすると私を訪ねて来てくれるようになった。
昼食休憩の時には食堂でよく一緒に食事をした。
色々な話をして、コビーといると楽しくて
気持ちが落ち着いて
とても居心地がよかった。
まだ出会ったばかりだけど
私は確実にコビーに惹かれていった。
ーーーーーー
「明日、初めて任務で海へ出るんだ。」
「えー!すごいね!」
怪我をしたコビーの手当てをしているときに
その話を聞いた。
「この基地に捕らえていた罪人を本部に引き渡すことになったんだ。その送検船に乗せてもらえるんだよ。」
「船に乗るなんて、本物の海兵って感じだね。」
「まぁただの雑用だけどね。」
コビーは照れながらも嬉しそうに頭を掻いた。
その様子に私も嬉しくなって
顔を見合わせて笑った。
「頑張ってきてね。」
「うん!」
この会話が
コビーとの最後の会話になるとも知らずに。
ーーーーーー
それから数日が経って、きっと船はもう戻ってきているんだろうけど
コビーと会うことはなかった。
心配なまま過ごしていた私は
たまたま見かけたリッパー中佐に声をかけた。
「お疲れ様です!」
「君は…医療班の子だね。」
「はい。ミドリといいます。あの…この間海へ出た送検船はもう戻ってきているのでしょうか?」
「モーガンの送検船か。3日前には戻っているはずだが。」
「3日前……あの、雑用のコビーくんは?」
「あぁ、彼はそのまま本部に引き抜きになったんだ。あとヘルメッポも一緒にな。」
「えっ……」
「なぜかは分からないが、本部のガープ中将に気に入られたみたいでな。直々に訓練を受けるようだ。」
突然の知らせに
雷に打たれたように、私は動けなくなった。
「友達だったのか。本部は
慰めるように私の肩に手を置いて
リッパー中佐は去っていった。
私はそのまま寮に戻り、ドアを閉めると
堪えていた涙が次々と溢れ出た。
もう会うことはない……
そう言われてしまうと
会いたくて会いたくて仕方がない。
海軍というところはこういう場所だ、ということはわきまえているつもりだった。
実力があれば昇格していって、異動もある。
コビーの階級が上がっていけば
そのうちここを出てしまうかも…という思いはいつもあった。
でも、まさか
こんなに早く別れが訪れるなんて……
コビーの笑顔が頭に浮かぶ。
もう私にあの笑顔で笑いかけてくれることはない。
辛い。悲しい。会いたい。そばにいたい。
この気持ちは間違いなく恋だった。