〜第三章〜
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〜第三章〜
次の日。
コビーの様子を見に、仕事の時間より早く医療棟へ向かった。
「コビー、おはよう。」
「おはよう、ミドリ。」
「!!ちょっと!コビー!」
コビーはベッドから立ち上がってストレッチしていた。
「まだ動いちゃダメだよ!」
「いや、昨日からずっと横になってたから、体が固まっちゃう気がして。」
「そんなにすぐ固まらないから大丈夫。包帯変えるから座って?」
「うん、ありがとう。」
私が包帯と薬を用意していると
コビーはベッドに座って服を脱ぎ
自分で包帯を外した。
鍛え抜かれた体が露わになる。
男の人の体は何度も治療してきて慣れているはずなのに
相手が好きな人だとどうしても緊張する。
ちょうど胸の真ん中に大きな傷ができていた。
その周りにも古傷がいくつもあった。
コビーが戦ってきた証だ。
傷の周りの血を拭き取り、薬を塗ったガーゼを傷に張り付けて新しい包帯を巻く。
コビーは巻きやすいように両腕を広げてくれた。
胸に包帯を巻くから、包帯の芯を背中の後ろで持ち替えるとき、どうしても抱き付く形になってしまう。
背中側から巻けばよかった、と少し後悔した。
何周もさせるから、何度も何度も
コビーの胸に顔がぶつかりそうになる。
おでこに息がかかりそうな距離にコビーの顔がある。
昨日抱き寄せられたことを思い出して顔が熱い。
私は変に緊張して何も言えず
コビーも特に何も言わない。
静かな病室。
心臓の音が聞こえてしまうかも。
意識してるのは私だけかな?
こっそりコビーの顔を見ると
真っ赤になっているコビーとしっかり目が合ってしまった。
お互いすぐに目を逸らす。
「あの…なんだか久しぶりだね。」
誤魔化すようにコビーが口を開いた。
「ん?」
「基地にいた頃、よくこんな風にミドリに手当てしてもらった。」
「そうだった。懐かしいね。ここまでの大怪我はなかったけどね。」
胸の包帯を巻き終え
次は両腕の包帯を順に巻いていく。
「コビーが動けるようになったら、どこに行こうね。楽しみだなぁ。」
「本部から出て、街にでも行こうと思うんだけど、どうかな?」
「嬉しい。私まだ街に行ったことなくて。」
「案内するよ。いろいろあるんだ。」
「楽しみにしてる。」
そんなコビーとのやりとりの後
私は仕事の時間になり、部屋を出た。
担当医によると、コビーはあと2日医療棟で療養したら自室に戻れるとのことだった。
私たちは5日後の私の非番の日にでかける約束をした。