〜第二章〜
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次の日の朝。
ガープ中将の軍艦が本部から出航した。
コビーもヘルメッポさんも乗っているはず。
仕事だったので見送ることはできなかったけど、ずっと心の中で2人の無事を祈っていた。
必ず帰ってきますように。
また会えますように。
ーーーーーー
それから4日が経った日の朝
ガープ中将の船が戻ったと通信が入った。
私は非番の日だったけれど、いても立ってもいられなくて海岸まで出迎えに行った。
船からは多くの兵士が降りてきている。
見たところ、皆目立った怪我はなさそう。
その中からコビーを探すけど、見つからない。
すると、軍艦に同乗していた医療班の一人が
船から降ろした怪我人らしき人をストレッチャーに乗せていた。
「大佐!大佐!!」
「コビー大佐!本部です!」
「着きましたよ!コビー大佐!!」
そのストレッチャーに向かって、隊員たちが口々にコビーの名前を叫んでいる。
まさか……
私は頭が真っ白になった。
その医療班の人がストレッチャーを押しながら私の方へと走ってきた。
私は我に返り、すぐにそのストレッチャーに手をかけて運ぶのを手伝う。
そこには私の大好きな人が
上半身に包帯を巻かれて眠っていた。
包帯には血がたくさん滲んでいる。
「ミドリ、いたのか。助かる。医療棟まで急ぐぞ。」
「はい!あの…容体は?」
「手は尽くしたが応急処置だけだ!血をだいぶ流している。戻ったらすぐに輸血だ!」
「わかりました!」
意識はないようだけど
苦しそうにうなされている。
———必ず帰ってくるよ。
あの夜のコビーの言葉と笑顔が浮かぶ。
まさかこんな状態で帰ってくるなんて。
涙が頬を伝ったけど、すぐに手で拭う。
泣いてる場合じゃない。
絶対に助けるんだ。
ーーーーーー
医療棟の個室で処置をして
しばらくするとうなされることもなくなり
顔色もよくなってきた。
ただ、意識は戻らない。
あと私にできることは
目を覚ますのを隣で祈ることだけだ。
トントン——
ドアがノックされる。
「はい。」
「ミドリ、ありがとうな。」
ヘルメッポさんだ。
「ヘルメッポさん、お帰りなさい。無事で良かったです。」
「おう。コビーはどうだ?」
「容体は落ち着きましたけど、意識がまだ…」
「そうか…」
「何があったんですか?どうしてコビーだけがこんな…」
「……ある海賊たちの根城を掴んだんだ。そこに囮になるようにコビーはひとり乗り込んだ。おかげで敵の防御が崩れて俺たちは戦いやすくなったんだが、こいつだけこの通りだ。」
「……そういうことだったんですね…」
「船長を捕らえたのはガープさんだけど、一つの海賊団を壊滅させたのはこいつの手柄だ……たいした奴だよ。」
「……ヘルメッポさん、どうしよう。このままコビーの目が覚めなかったら……私っ…」
堪えていた涙が頬を伝う。
「タフな奴だから大丈夫だ。」
ヘルメッポさんは私の肩に手を置く。
「俺はまだやることがあるから、こいつについててやってくれるか?」
「もちろんです。」
「また後で様子見に来るな。」
再び2人だけになった病室。
コビーに繋がれた医療機器の運転音だけが響く。
「コビー……」
願いを込めるように
私は彼の手を両手で握った。