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あなたのそばで 〜プロローグ〜
はじまりは2年前——
ここは
海軍第153支部。
もともと医者だった私の両親は海軍に入り、今はここの医療班で働いている。
人手が足りないから、と、私も今日から見習いとして働くことになった。
「ミドリさんですね。今日から医療班に入られると聞いています。」
時間通りに基地へ行くと、若い海兵の人が迎えに来てくれていた。
「僕は雑用のコビーといいます。お迎えに上がりました。」
「わざわざありがとうございます。」
すごく真面目な人なんだろうな。
私に対してもきちんとお辞儀と敬礼をして、
シャキっとした態度が気持ちいい。
つられて私も気持ちが引き締まる。
雑用ってことは一番階級は下なんだろうけど
もう立派な海兵さん、という印象。
「医療班の所までご案内しますね。」
「よろしくお願いします。」
珍しいピンク色の髪に、丸メガネ。
背丈は私より少し高いくらい。
なんとなく私は、この人に興味を持った。
「コビーさんはここに入って長いんですか?」
「あの…実はまだ昨日入ったばかりなんです。」
「昨日から!?もう立派な海兵さんなのかと。」
「いえいえ!僕なんてまだまだです!一番下っ端なので。」
照れて謙遜する姿が好印象だった。
「歳はいくつですか?」
「16です。」
「あ、私も16です。同い歳ですね。」
「そうですか!この歳で海軍の医療班に入るなんて、ミドリさんの方がすごいです。」
「そんなことないです。ただの見習いだし。小さい頃から医者になるよう言われてきて、勉強はしてきたけど、現場は初めてだから…不安だらけです。」
「最初は皆そうですよね。僕も今日から本格的に訓練が始まるので緊張してるんです。」
「でも同い年で、雑用と見習いで、コビーさんのような人がいて心強いです。一緒に頑張りましょうね。」
「はい!」
笑顔を向けると、コビーさんもニッコリと笑ってくれた。
同じ境遇の彼に親近感が湧く。
初めての場所に緊張はあるけど、彼のような人がいるなら頑張れそう。
ーーーーーー
「医療班の皆さんはここです。では、僕はこれで。」
「ありがとうございました。訓練頑張ってくださいね!」
「はい!」
最後に敬礼をして、コビーさんは足早に去っていった。
ここが、私の働く場所。
意を決して私はドアを開けて中に入った。
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