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今まで銀行だった風景はいつの間にかあの真っ白い部屋へと変わっていた。
そして並んだ扉の向こう側から4人が姿を現す。
青い髪の毛をした女性職員が硝子に白衣を渡した。
「驚いた。今回はこういう展開だったのか。私はてっきり君を"EXIT"へ導く役割だと思っていた」
白衣を羽織りながら彼女は床に倒れている女性に声を掛ける。
「バッドエンディングだったわけだ」
「先生……」
オレンジ頭の女性が震えた声で硝子を呼んだ。
硝子は周りにいた他の職員たちに目くばせをすると、警察役の人やリポーター役の人、銀行強盗役の男性職員は散り散りの大広間を後にしていく。
その場所に残されたのは硝子と5人。
「彼女は?」
「大丈夫だよ。このままそっとしておいてくれ」
硝子はそれだけ言って大広間を出て行った。
硝子がいなくなった後、彼らは倒れている女性に近づく。
たった一人、白髪の男性を除いて。
「死んでるの?」
と、オレンジ頭の女性は言った。
「まさか。死んではいないでしょう」
と、ピンク頭の男性は言った。
「ただ、気を失っているだけだと思います」
と、お団子頭の男性は言った。
「いや、気を失っているんじゃない。気が付いたんだ」
と、白髪の男性は言葉を強くして言った。
気が付いた、とは何か。
白髪の男が何を言っているのか分からない3人は彼を見つめる。
彼はまっすぐに3人を見た後、はっきりとした口調で。
「覚醒したんだよ」
と言い切った。
と同時に、倒れていた女性はゆっくりと起き上がった。
「その通りだよ、悟」
「よかったね、真希。覚醒できて」
お互いがお互いを名前で呼ぶあう。
その光景に3人は驚きを隠せない。
なぜ、彼らはお互いの名前を知っているのか。
自己紹介など一度もしなかった。
それどころか彼らは自分の名前すらわかっていないのに。
そんな彼らをよそに、真希は笑みを浮かべた。
「何驚いてんだよ、野薔薇」
「悠仁、野薔薇と真希は僕の生徒。傑、君は僕の親友だ」
「私達は同じ高校の先輩と後輩だぞ。私が先輩でオマエらが後輩なんだ」
二人の言葉に。3人は大きく目を見開いた。