【虎杖悠仁】ときめき
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虎杖は馨にゆっくりと近づいていく。
周りの人たちは何事かとざわめいていたが、彼らにとってそれは雑音にしかならず、いや雑音でもなんでもなくて、ただ今は目の前の大切な人に、ただ一言。
お互いにお互いの顔を見つめる。
言いたいことはたくさんあった。
なんでここにいるの。なんで教えてくれなかったの。
だけど今はそんな事どうでもいい。
それよりももっと大切な、溢れる気持ちが彼らを支配していた。
「俺、馨のことが好き」
「私も虎杖のことが好き」
そして馨は、ウィーンへと旅立った。