【虎杖悠仁】ときめき
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それから数か月後。
「ブラックよりオレンジ。ブラックよりオレンジ」
「こちらオレンジ。どうぞ」
「計画通り執行するように。準備はいいか?」
「こちら準備良し!!どうぞ!!」
「ぬかるんじゃないぞ」
「了解、どうぞ!!」
釘崎は電話を切り、一呼吸置いた後歩き始める。
彼等が通う高専高校は寮が完備されている。
そこの男子寮の一室に虎杖は住んでいた。
ずんずんと大股で歩く釘崎とパンダ。
虎杖の部屋へと向かう彼らの顔つきは人でも殺すのかと言わんばかりの表情だった。
「いーたーどーりーくーん!!」
「ゆーじー!!おきなさぁーい!!」
扉の前で虎杖の名前を呼ぶ釘崎とパンダ。
ガチャリと音がして開いた扉の向こうでは、眠たそうに目をこする虎杖の姿が。
「なんだよ~こんな朝っぱらから、うるせえな~」
「ああっ!!痛い!!お腹がものすごく痛い~!!ああ!!痛い~」
「俺もなんかお腹が痛くなってきちゃったぞ~!!」
釘崎とパンダは虎杖の前でお腹を抑え床に倒れ込んだ。
「え、何突然。大丈夫か?」
「ものすごぉくお腹が痛いわ~虎杖~。お医者さんを、お医者さんを~~~~~~」
「俺にも呼んで~。あ、でも動物病院はダメだぞ。俺パンダだけどパンダじゃないから。人語を理解できる動物ってバレたら実験送りにされちゃうから。でも普通の病院もダメだぞ。ほら俺、人間じゃなくてパンダだから」
「え⁉じゃあどこの病院行けばいいんだよ」
「品川の近くにでかい病院があるんだけど、家入先輩の知り合いのお医者さんいるらしいから、連れてきて虎杖」
「え⁉連れて来るの⁉救急車呼べばいいじゃん。つか、なんか元気じゃね?」
「「うわああああっ!!立てないくらい痛い~~~!!」」
「えええ⁉」
じたばたと床でもがく二人に、虎杖はスマホを取り出し救急車を呼ぼうとした。
が、瞬時にスマホは廊下の奥の奥まで吹き飛ばされた。
「真希、先輩……?」
「悪ぃ悠仁。こいつら私が見ておくから医者、連れてきてくんね?」
「え……あ、はい」
「校門前にタクシー止めてあっからよ、それに乗っていけ」
「え、だったら二人が乗れば……」
「パンダを乗せるわけにいかないだろ?」
「そっすね……。行ってきやす」
「ダッシュ!!」
「ウィッス!!」
50m3秒の記録を持つ虎杖は廊下をものすごい速さで駆け抜けた。
「もういいぞ」
「ふぅ。一芝居うつのも大変ね」
「世話の焼ける男だ、まったく」
姿が見えなくなったころを見計らい真希は二人に声をかける。
釘崎はスマホを取り出し電話を掛けた。
「オレンジよりホワイト、オレンジよりホワイト」
「は~い、こちらホワイト」
「作戦その1成功!!あとは任せたわよ、どうぞ!!」
「了解~。俺に任せといて、どうぞ」
電話を切る釘崎は、自分を見つめる視線に気が付く。
「なんですか」
「そのオレンジとかホワイトって何?」
「雰囲気です」
きっぱりと断言する釘崎に二人は「へぇ」と答えた。
その頃、虎杖はと言うと。
「運転手さん、あの……って五条先輩⁉」
「本日は高専タクシーをご利用くださりありがとうございます。お客さん、行き先は?」
「え……っと」
「行き先は?」
「品川駅にあるでかい病院まで……」
「OK~。飛ばしてやっから、しっかり捕まってな」
「うっす」
なぜ運転席に五条がいるのか全く分からなかったが、今は釘崎とパンダの事がある為深くは突っ込まない虎杖。
彼のこういうところが好かれる要因の一つだろう。
一方その頃、高専内の放送室ではと言うと。
「七海さん、準備の方は?」
「いつでも大丈夫です、伏黒君」
「電話します」
七海の準備ができたのを見計らい、伏黒は五条に電話をする。
「ブラックよりホワイト、ブラックよりホワイト」
「は~い、こちらホワイト」
「作戦その2、準備が整いました」
「了解、どうぞ〜」
電話を切り、伏黒は外で見張りをしている灰原と狗巻に親指を立てた。
二人も親指を立てて、にっと白い歯を見せる。
「じゃあ俺は急いで羽田空港に向かいます」
「しゃけ」
「あとで報告してね、伏黒君」
「もちろん」
伏黒もまた、急いで外へ行き、待機していた夏油の車に乗り込んだ。
「うまくいけばいいですけどね」
「うまくいくよ。でなきゃ、男じゃないだろ」
「そっすね」
アクセルを踏んで二人は目的地である羽田空港へと急いだ。