【七海建人】男女別々青春トークのすゝめ
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――椎名馨side――
わわ、私、そんな尽くせる女じゃないです!!!!
顔面蒼白で固まる七海に負けず劣らず、自分の額からも滝のような冷や汗が流れる。
何?男子っていつもそんな会話してるの?
どういうこと?
七海も私にそれを求めてるの!?
嘘でしょ⁉
無理!!ヤダ!!
でも別れたくない!!
呼吸が乱れて、酸素の回らない頭に「やっぱさー」と親友たちの会話が響いた。
「彼氏にしたい人と結婚したい人って違うよねー」
「わかるー。なんっつーか、旦那さんにするなら刺激的な人より、優しい人がいいよね」
「優しい人!!!」
その単語に思わず食い付いた。
「それだよ!優しい人!」
立ち上がりかけた私の肩を、テーブルに座る4人が一斉に押さえ込んだ。
「落ち着け馨、急にどうした」
「いや、私の彼氏ね、すっごい優しいんだ。滅多に怒らないの!」
「突然のノロケ!」
「そう!ほんと理想の彼氏なの!あのね、私のワガママも、しょうがないなぁって聞いてくれるの!」
「確かに、男嫌いの馨が付き合えるなんてよっぽどいい人なんだろうと思うよ」
「でしょでしょ!マジ一生ついて行きます!みたいな!」
「へー、じゃあ将来安心だね」
隣に座る友達が、いつの間に頼んだのかパフェのチェリーを口に放り込んだ。
「結婚式には呼んでよね」
「けけけ、けっこん!?」
ガシャンと食器がぶつかる音と共に声を出したのは私じゃなくて七海だった。
「おいどうした、七海」
真っ赤な顔の彼に、白髪頭の超絶イケメンの男の子が不思議そうな顔をしている。
「あ、いや、けっこ……そう!けっこう悪くないなと思って!コスプレも!」
馬鹿!
それはさすがに下手すぎる!
こっちにもバレちゃうよ!
「ねえ、馨〜、結婚式するならどんな感じがいい?」
焦る私と対照的に、のんびりとした口調で隣の子が肩にもたれかかってきた。
「私はねぇ、ハワイで挙式したい」
「や、結婚とか、そんな先のことは考えられないかな……ってゆーかもっと別の話しない?」
必死な私の言葉など聞いていないようで「やっぱお色直しは最低2回だよねー」「風船とか飛ばしちゃってさー」なんて、広がる女子の妄想を止められない。
「ゲストハウス貸し切りっていうのも素敵じゃない?テラスとかプールもついてるやつ!」
「でもそれだとお金かかるでしょ」
「ばかねー。そこは稼ぎのいい男捕まえるに決まってるじゃん」
「あ、そっかー。今の時代不景気ですからねぇ」
「そんで旦那はATMにして、私は専業主婦になりたい」
「それな。子供の習い事はスイミングと英会話」
「一方私はヨガ教室に通い、帰りにママ友とフレンチでランチ」
「というわけで、理想の旦那の年収は最低いくらでしょう?」
流れるように飛び出した質問に、私を除く4人が一斉にテーブルを軽く叩いた。
「「「「1,000万以上!」」」」