【七海建人】男女別々青春トークのすゝめ
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「で?どこまでいったんだよ、七海は」
夏油さんと話していたはずの五条さんが突然話を振ってきた。
まるで聞いていなかったので「何がですか?」と聞き返せば「とぼけるなよ」と悪人面な五条さんがニヤリと笑った。
「七海がべた惚れの彼女サンとは、もうヤったのかい?」
「はっ!?」
ぶはっと勢いのいい音がして、見ると馨が盛大に咳き込んでいた。
どうしたー?なんて隣の女子に背中をさすられている。
「どうなんだよ?七海ぃ」
斜め前の灰原が楽しそうに聞いてくる。
馨と灰原を交互に見ながら「いや……」と言葉を濁らせていると「この前彼女の家に行くって張り切ってたじゃないか」と夏油さんが無駄にいい声でニコニコと話に入ってきた。
やめてくれ、と心の声が叫んだ。
馨に聞こえるだろ……っていうか、思いっきりこっち見てる。
突き刺さる馨の視線に、変な汗が背中を伝っていく。
「そういうのは、ここで話すことじゃない……でしょ」
とどきまぎしながら言えば「そうですよ」と何も知らない伊地知君が助け舟を出してくれた。
「食事をしている時にそういう話は……」
「はぁー?なんだよ、伊地知は気にならないって言うのかよ」
「悟にとっては未知の世界だからね、気になって仕方ないんだよ」
「え、五条さんセックスしたことがないんですか?意外です!!」
「んんん?意外ってどういう意味だ灰原ぁ」
「あ、ちょ待っ、なんで⁉」
五条さんが灰原の襟を掴んだと同時に「で、さっきの続き!」と隣のテーブルから女子の声がして「何の話?」と馨の視線が私から逸れた。
よかった、助かった……。
ほっと息を吐いてスプーンを口に運ぶ。
けれど「とぼけんじゃないわよー」の次に聞こえてきた言葉に、私も盛大にむせることになった。
「シたんでしょ?彼と」
「ぶはっ!」
飲み込みかけていたドリアが変な所に入った。
「大丈夫ですか?」と伊地知君に背中をさすられるが、咳がなかなか止まらない。
どういう、ことだ?
馨を見ると、動揺しているのか「え、や……ここファミレスだよ?」と言いながら目が泳ぎまくっている。
そんな彼女に「何言ってんのよ!」と隣の女子が肩を叩いた。
「教室で堂々と自慢してたくせに、今更恥ずかしいとか言わないの!」
は?
「っつーか、私たちそれを聞きにここに来たんでしょーが」
「そうそう。奢ってやったら詳しく話してやるって言ったの、馨でしょ」
はああぁぁぁ⁉
なに言いふらしてるんだ!?
キミの恥じらいは食欲に負けるのか!?
唖然とする私の視線に気が付いたのか、逃げ場を無くした馨は小刻みに振動を始めた。
なんだよそれは、アンタはケータイか。
「で、どうだったワケよ?七海?」
隣の女子の声は耳に届かないのか、撃沈している灰原に肘を乗せ、五条さんが顔を近づけてきた。
ヤった?ヤった?としつこく追求されて、普段あんまり怒らない自分でも、なんだかムカムカしてしまう。
馨がその気なら、私だって言ってやるけど?
よくないとわかっていたけれど、わざと馨に聞こえるように語気を強めて言ってしまった。
「ヤりましたけど?先週の土曜に」