【虎杖悠仁】ときめき
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
放課後。
釘崎と家入と真希はとある場所に来ていた。
「ここだよ、桜ヶ丘女学院」
「家入先輩、ありがとうございます!!」
「つか、私と硝子先輩呼び出すとか何事だよ、野薔薇」
「虎杖に彼女がいるって話になって、気になりました」
「素直か。で、一人で来る勇気がなかったから私たちを連れてきたと」
家入はポケットから煙草を取り出し火をつけようとした。
が、すかざす釘崎がそれを奪い取る。
他校の校門前で煙草を吹かす姿を見られたら、どんな処罰がくるかわかったものではない。
その前に未成年が煙草を吸っている時点で問題ではあるのだが、今はそんなことを気にしてなどいられない。
「私の貴重なニコチンが……」
「あとでカートン買いしてあげます」
「まじ?ツーカートンね」
「いや、ワンカートンだわ」
「それより釘崎、虎杖の幼馴染がどんな奴か知ってんのか?」
真希の言葉に、釘崎は動きを止める。
真希と家入はその反応で全てを理解した。
なにも考えずに飛び出してきたために、虎杖の幼馴染がどんな容姿をしているのか聞き出すのを忘れたらしい。
「虎杖に電話しろ」
「いや無理っす。黙ってここに来ちゃってるんで」
「いいから電話しろよ。無駄骨だろうが」
「夏油なら知ってんじゃないか。あいつの従妹もここの生徒だって聞いた気がする」
「じゃあ家入先輩、お願いします!!」
「あっはは、嫌だよ」
校門前で騒ぐ女子3人を横目に桜ヶ丘の生徒はひそひそと小声で話しながら横を通り過ぎていく。
虎杖や夏油に連絡せずとも、校門から出てくる生徒に聞けばいいのだが、そのことに気づくのは5分経ってからの事だった。
「初めからこうすればよかった」
「意外と抜けてんな」
「真希、それブーメラン」
かくして。
女子3人は見事にお目当ての女子生徒、馨と出会う事ができた。
ついでに夏油の従妹2人とも。
「え、じゃあ馨は元々地元の高校に行く予定だったんだ」
「そうだよ。でも転勤ってなったらどうしたって親に着いていくしかないし」
「そりゃそうだ」
「でもすげえな。虎杖そのこと知らなかったんだろ」
真希はホットコーヒーを飲みながら足を組んだ。
虎杖と馨は元々宮城県の中学校に通っていた。
しかし親の転勤が決まった馨は中学の卒業と同時に東京へと引っ込すことになっていた。
それを誰にも言わずにいた。
そんな彼女の元へ虎杖がやってきて「東京の高校を受験する」と言ってきた。
どきりと心臓が跳ねた馨は、担任の先生が転校することを虎杖に話したのかと思ったが、どうやらそうではなく。
虎杖はただ純粋に東京へと行きたいがためだけに受験すると言ってきた。
「そんな理由で東京に来るとは思わなかったから、びっくりして」
「あっはは、虎杖らしいね」
「で、美々子と菜々子は夏油先輩の従妹で、二人の様子を逐一連絡し合っていたと」
去年の誕生日に虎杖がカービィをあげたことをなぜ夏油が知っていたのか。
今朝の虎杖と五条のやり取りを思い出して、釘崎は一人納得していた。
「あ、そうだ馨」
菜々子は何かを思い出し、スクールバックの中から小さな箱を取り出しそれを馨に渡した。
彼女曰く、誕生日プレゼント。
「え⁉誕生日なの⁉」
「今日じゃないけど、もう少ししたら……」
「虎杖と一緒に過ごすのか?」
「まだそういう約束はしてませんけど、たぶん……」
「ふーん、デートだ」
くすくす笑う家入に馨は大否定するも、この場にいる全員は「デートだろ」という満場一致の感想を抱いている。
そんな時、真希の頭にピコンと電球の明かりが点いた。
「せっかく友達になれたんだ。今年は盛大に祝おうぜ」
彼女の提案に、真っ先に理解を示したのは双子の美々子と菜々子。
素早くスマホを取り出し、素早いタップで夏油にラインを送った。
そして数秒後、「OK」というスタンプが送られてきた。
「馨!!」
「は、はい!!」
「ときめけ!!」
いきなりキャラの変わった菜々子にたじろぎ、何がなんだかわからない馨は、恐怖のあまりにただ頷くしかなかった。