【虎杖悠仁】ときめき
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「悠仁、オマエ彼女いるってまじ?」
昼休みの1年1組の教室に当たり前のようにいる五条悟の言葉に、虎杖悠仁は飲んでいた牛乳を盛大に吹いた。
口の端から零れるそれを拭う事も無く、慌てたように首を横にふる。
「か、彼女じゃなくて幼馴染だから」
「でも毎年誕生日祝う仲なんだろ。去年の誕生日はクレーンゲームで取ったカービィらしいじゃん」
「……なんで五条先輩がそんなこと知ってんだよ」
「傑から聞いた」
「なんで夏油先輩そんなこと知ってんだよ!!!!」
顔を真っ赤にして虎杖は机をバンと叩いた。
その様子を少し離れた場所で見ていた同級生の釘崎は、同じく少し離れた場所で寝ている伏黒に声をかけた。
「あんた知ってた?」
「あ?何が」
「虎杖に彼女がいたってこと」
「ああ。桜ヶ丘女学院のやつだろ」
「知ってんだ」
「この前、一緒に歩いてるとこをみた」
伏黒は大きなあくびをして、机に突っ伏す。
「ふーん」と興味なさそうに反応する釘崎だったが、その心中は穏やかではない。
自分より先に虎杖に恋人がいるという事実に、
釘崎はなぜか腹が立ち眉を寄せる。
五条と未だに喚いている虎杖をじっと見ながら、釘崎は何かを思いついたように唇を歪ませた。
「この前のデートどうだったの、馨」
一方同じ時刻。
桜ヶ丘女学院の1年の教室にて、こちらも同じく問答を迫られている人物が一人。
美々子と菜々子の間に挟まれた少女は、肩を竦めて困ったような表情をしている。
「デートじゃないって……。一緒に遊んだだけだよ」
「それを世間一般にはデートって言うんだけど」
「あ、傑兄さんからライン来た」
「あれ、菜々子ってお兄さんいたっけ?」
「うちらの従兄の兄さんだよ。超かっこいいんだから」
白い歯を見せて笑う菜々子に馨は「そうなんだぁ」と間延びした返答をしてきた。
「進展は見込めないってさ」
「ヘタレだね」
菜々子の言葉に美々子は大きなため息を吐いた。
なんの話をしているのかわかっていない渦中の少女は、残り少なくなったお茶を飲み干した。
二人で何かを話している様子をぼうっと見ながら、馨はスクールカバンにぶら下がるピンク色の体をしたぬいぐるみのキーホルダーを見つめる。
思い出すのは去年の誕生日の日の事。