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ようやく回復したナナミさん。
綱手さんに報告したことや、ナルトさんの家に泊めさせてもらったとか、その再ナノさんに出会ったとか。
彼女は時折曇った表情を見せ、綱手さんやナノさんから何か聞いたかと質問された。多分
ナルトさんもなのか、少し焦りを見せつつも何の話だ?と知らないフリをしてくれた。しかしあの表情ワザとらしいな…。
僕も何も聞いていませんよ。と知らないフリをした。僕は彼に比べれば修業時代にポーカーフェイスを極めたものだらかそこら辺は抜かりないと自負してます。
安堵の溜め息をつくナナミさん。それ以降は世間話に花が咲いた。
暫くすると看護士さんが面会時間は今日は終わりだと僕らに告げる。少し残念だが僕らはこの場を去ることにした。
「それじゃあナナミ、俺らは帰るからな!病み上がりなんだから早く寝ろよ。」
「お前もアレンがいるからって夜遅くまで起きているなよ〜。」
小悪魔的な笑みで僕らをベッドの上から見送ってくれた。
その際僕だけ一度こちらに来るようにと手招きされた、彼女のそばまでに行くと何かメモを手渡された。
僕だけ聞こえる声で、あとで一人になったら見ろと告げられた。
僕だけ呼ばれたことにふくれっ面のナルトさん、すごく不満そう。
僕は咄嗟にお菓子の場所を教えてもらいました。と嘘をついた。
ナルトさんはオレにはー?とさらに不満そうな声を上げる。ナナミさんはまたもや小悪魔的な笑みで
「お前に教えたら、今後一人で食い散らかすだろ?」
と云った。
やっと調子が出てきたのかな。僕は地団太を踏むナルトさんの襟を引っ張り退室しながら思った。元気になったのならそれはそれで良かった。
そして、またもやナルトさんの家に着いた。
今日もナノさんがココアを啜りながら何か書類の整理をしている。
「お、おかえり。ナナミはどうだったかい?」
「え、あ、はい。まだ本調子じゃないですが元気そうでしたよ。」
「悪態つくほど元気だったぞ。」
余程根に持っているのか、ナルトさんは不服そうに上着を脱ぎソファーに寝転がる。ふて寝。
ナノさんと笑いながら僕も上着を脱ごうとしたが、ナナミさんからもらったメモの事を思い出し二人にばれない様に椅子の背もたれの陰でこっそり見た。
そこには驚くことが書いてあった――
*
「こんな事していいんですか!?」
「おお、そのくせしっかり荷物持って来てるじゃねぇか。」
なんて馬鹿正直なのか僕は…。
僕はメモ通りに"ナルトさんが寝た内にこっそりと抜け出して
この土地には知り合いなんてうずまき一家か綱手さん、サクラさん、シカマルさん…と数少ないけれど…もはや後半は顔見知り程度だし。
僕が知らない間にナナミさんやナルトさんの知り合いとすれ違ってナルトさんにばれたりしたらめちゃくちゃ怒られそうだし、ナナミさんとケンカしてもらったら困る…。心臓に悪いったらありゃしない
病院は既に鍵が閉まっていたので、フェンスを上り、外にある非常階段のフェンスも上りそして階段も駆け上がり、そっから病室まで屋根の上を歩いて窓から入ることになったし。
これじゃあまるで犯罪者のようだ…溜め息がこぼれる。目の前の彼女は愉快そうに小さく笑う。
病室は個室で彼女一人しかいないが隣の病室や、廊下にいる見回りの看護婦さんに気付かれたら困る。
「そろそろ笑うのやめてくださいよ。」
「いやいやすまん。だって窓見てたらめっちゃ汗かいて変顔してるアレンがいたからさ…ふっ。」
そりゃあ汗だくになりますよ。それに好きで
僕はベッドの端に座り、何故彼女にこのようなことを頼んだのかと問いただす。するともう帰るから。と返事が返ってくる―
「だいぶ観光もできたしレポート用のメモもかけただろ?写真も奈乃ちゃんに頼んで現像してもらったし!さすがにはやく戻らんとコムイを筆頭に迷惑かけちゃうしな…」
彼女はどうやらこちらでの過ごした時間が
俺の荷物は?と催促するナナミさんに手渡そうとしていた鞄を持ったその手を止めた。ナナミさんは不思議そうに眉をひそめる。
僕はそのままカバンを地面に置く。
「なにやってるんだよ…はやく…「ナナミさん…あなたはここに残るべきです。」
「はぁ?今更なに云ってるんだよ…「あなたには大切な仲間がいる、家族がいる…ここに残ってここで生きていくのが正解だと思います。」
彼女の顔を見ると今までにない悲しそうな表情を浮かべていた。
後光の月明かりが更にナナミさんを儚げに見せる。
狼狽えてしまったが僕は言葉をつなぐ。今の僕の気持ちを紡ぐ。
ナナミさんは仲間と
僕はたった数日しか一緒にいなかったが少なくとも教団や任務で戦っている時よりはるかに楽しそうだ。
「ナナミさん…あなたの居場所はここなんですよ…無茶して僕らの世界に来なくていいん―バチンッ
一瞬だった。気づいたら左頬がじんわり熱く、そして痛い…叩かれた…ものっそ痛いビンタを。
ハッとナナミさんを見ると、目には大粒の涙を溜めている、涙は今にも溢れ返りそうだ。
ティムもだけどガルも心配そうに僕らの周りを飛び交う。
「…そ、そんな事云うなよ…」
ぼそりとナナミさんの口が開く。
「勝手に。そんなこと、云うなよ…!俺は
その目に嘘はまったくもって感じなかった。ナナミさんの声はどんどん嗚咽交じりになってくる。
「アレン…俺はお前の事を前から知っていたんだ…こんな事云うのはおかしいけど、お前の世界のこと…は、物語になっているんだ。」
物語…どう云う事だ…僕自身が…物語の人物だと?
「それでお前に出会えたことが、本当に嬉しかったんだ。」
「まってください。仮に本当に僕が物語の人物なら…「そうなんだよ、お前の……アレンの物語りなんだよ…!」
僕は彼女が何を云ってるのか理解できなかった。
―それは初めて出会ったあの時のような。
そもそも考えてみればおかしかった。はじめはナナミさんの時空移動の能力により僕やイノセンス、教団のことを把握していたかと思っていた。
でもおかしい、ナルトさんやナクラさん、ミキアさんそしてナノさん。この4人も僕のことを知っていた。
しかし、サクラさんやシカマルさん、綱手さんは僕の事を見ても何の反応を示さなかった。それはやはり僕らの物語を知っているかどうかで分かれているという事。
マテールの時だってそうだ。任務について現地に行かなきゃ分からなかったであろうイノセンスの本体が分かっていたし…―ただの未来を知っているだけじゃ辻褄が合わない…
「はじめは興味本位だったんだ。」
突如ナナミさんがポツリと呟く。
「大好きな漫画にご都合良く
「でも実際に教団に着いたらさ…知っているとは云え戦争は辛いってのも実感したよ。」
ナナミさんは両掌を広げ膝あたりにもっていくとガルが大人しく止まった。
「サクラちゃんに云われちゃったけどさ、実はガイルタンピは…ティムを真似して作っちゃったんだ。」
恥ずかしそうに微笑む彼女、静かに涙が頬を伝う。
「お前の世界にとってはイレギュラーな俺だけど、俺の世界に来たアレンは運命だった気がするんだ。」
「運命…。」
スッとベッドから降りると彼女は今まで着ていた患者衣をおもむろに脱ぎ捨てた。なにをしているんだ!驚きで声をあげようとしたらナナミさんの周囲に煙が立ち込める。
僕はむせ返る事しか出来なく細目で煙が晴れるのを待った。ものの数秒で煙が晴れた。
そこに立っていたのまごうことなきナナミさん。
いつぞかで食堂で出会った薄紫色の洋服を着ていておでこには…見たことの無い記号のハチマキを巻いている。
すぅっと息を吸い込んだと思いきや、声高々にこう云った。
「うずまきナナミ13歳!本職は木の葉の忍で上忍、たまに火影の補佐をしています!死神も代行してます!わりと木の葉に
当然のようにこんな大声を上げれば、看護婦さん達や近くの部屋にいた患者さん達が野次馬ごとく集まってくる。
中にはナナミさんの名を上げるものもいる。それだけここの世界では人望や認知があるってことだろうか。
「そして現職は…エクソシスト!俺…木の葉の里にいれてすっげーよかったよ。でもみんなもうここでお別れだ。」
騒動に気づき綱手さんとその側近のシズネさんが慌てて病室にくる。
「うるさいぞナナミ!こんな時間に!」
「ししょー…」
ふっとナナミさんは入り口に目線に戻す。
「俺、ガキの頃からわがままで…」
「今もガキだ。」
「へへ、ですよね…今まで迷惑かけました。」
「…。」
「ナルト…兄貴も多分察してます。イノセンス…チャクラを練って放送しちゃいました。」
テヘペロと云わんばかりのちゃめっけたっぷりに綱手さんに告げる。
「俺、母親ってのを知りませんが多分ししょーが母親でした!んでもってシズさんがお姉さん!」
「ナナミ……」
「同じく親父も知りません。でも三代目のジジィが俺と同じ髪色をしてるっていつも云ってました。だからあっちの世界に賭けてみます。」
まっすぐな瞳で綱手さんに告げる。
もしかしたらこれが最後の別れかもしれない。僕らの世界に戻ったらすぐに戦争だ。
そんな中で自分の父親探しだなんて無謀だ。でも僕からはなにも断言できない。
しかしナナミさんのまっすぐで奥に見える可能性の光、僕は見逃してはいなかった。絶対に見つけ出せる。そう云っているように見える。
「いいのか、アイツに直接云わなくても…。」
「云い合いに…なりそうなので。」
ナナミさんはそう云うと僕と初めて教団本部に行く時の様に両掌を合わせ地面に着け、呪文を云おうとした瞬間―
「ナナミっ!!!」
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