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無駄に天井が高いこの室長室で一人の男性の唸り声が響く。決して無駄ではなくちゃんと今までの資料が集められた高い本棚があるので致し方ないのだ。
「うーーーーーーん…ナナミちゃんのいた世界にねぇ…」
「二泊三日!なっいいだろ?」
「でも今エクソシストが足りないこの時期にねぇ…」
「…なんかアルバイトのシフトを頼む様な気分…」
唸らしてしまった原因でもあるひとつ人員不足…確かに現エクソシストはめちゃくちゃ足らないってのは原作で知っている情報。だから一個人の優遇なんてそう簡単に利きっこない。そんくらいこどもの俺でも理解る…帰省するなんてエクソシストではまずあり得ない…だけど俺は原作ではアレンの事を…なんなら知っている巻数までの主要人物の事は十二分な程理解っている。でも逆にアレンは俺のことを理解らない…わかるとしたらイノセンスのことや肉親に兄がいるって事くらいだろう。あと、本音はアレンの質問攻めが疲れる!しかも聞いときながら途中から聞き流してくるし(多分興味が薄れたか、どうでも良くなってきたか)。なので手っ取り早く帰省を選んだのだ…が。
「ナナミさん…さっきいい考えがあるって云ったのに…コムイさんだんまり状態ですよ!?」
「ここまで渋るとは俺も予想外だったんだよ…。」
どんどんコムイの顔が渋るのと同時に俺も一緒に渋柿を食べたような顔になっていく…。俺は他にいい頼み方がないかと考え込んでると後ろから我が教団のアイドルの心が弾むような軽やかな声が沈黙を割いた。
「兄さん、いいんじゃない?ナナミちゃんがいた世界の調査を兼ねての任務!」
「リナリー!」
俺は歓喜コムイは悲しみに…それぞれ彼女の名を呼んだ。そんな俺らに微笑みかけれくれる。渡りに船の天使!女神!
「そうだ…!俺のいた世界とこの世界じゃ機械や…文明の違いが沢山あるぞ?今後の対アクマ武器や結界装置のヒントになるかもしれないし…」
その言葉に稀にない真面目そうな眼差しをこちらに向ける。さすが科学班の長であるコムイ…機械や教団のさらなる発展となるとやはり気になってしまうだろう。
長めの溜め息を零した後ローズクロスのマークが描かれたファイルを俺に手渡してきた。中には数枚の罫線が引かれた紙が入っていた。彼はこの紙にレポートを描いて欲しいと真剣な眼差しで告げる。
「でもあれだよ?別途報告書を書いてもらうから!」
「え゜」
「アレンくん、君には"この"世界とどう違うか事細かにナナミちゃんに伝え、その内容を報告書として提示すること。」
「え゜」
あの真面目な眼差しはいずこへ…いつものマッドサイエンティストの様な表情に替えぺらぺらと述べてくる。「あたりまえのことだよね?これぐらい」と云わんばかりの鬼の形相。
お互い顔を見合わせ俺らはその任務を遂行することになった。
*
ぐんと背伸びし溜め息を零しアレンは脱力感に襲われ項垂れながら俺の肩に顎を乗せ全体重を乗せてくる。
「おい、重いんだが…」
「どっかの誰かさんが"いい考え"を提案してくれたおかげでとんでもなーーい仕事も舞い込んできてしまったしねー、体が重い重い。」
やけに"いい考え"を強調してくる。うるさい俺だって自棄だったんだ。自分の世界の事を全部説明してもキリがない。インターネットに便りたいけれど、携帯電話は圏外なのでビィキペディア先生やアホー知恵袋さんも使えない。なので現地が一番なんよ。
少し開けた場所を探し鍛錬場に辿り着いた。各々荷物も持ち込み(アレンがおやつをあれやこれや持っていこうとして置いてけと説得するのに少々時間がかかったが)地面に置く。
時空移動するには俺……オリジナルの陣を書かなければならない。が毎回書くのが面倒なので数個スクロールを作っておいたのだ。時空あるいは時間遡行と仰々しく云ってるが、任意の安地や
「あ、ただひとつ
「…そういえば、僕らが教団に来た時もそうですね…こんな便利なワザなら直接門前や中にだって入れててもいいですもんね。」
グサリ。痛いとこつくなぁ〜。アレンの目線がやや冷ややかだ。俺はスクロールを取り出し、時空移動の術式展開…地面に両掌を付け頭の中で行きたい場所を浮かべチャクラを練る。
「…おい………久しいじゃないか?」
「………しっ…師匠…」
「え…」
俺の行きたかった場所…俺の元居た世界、木の葉の里に無事ついたのだが。着地地点が俺の師であり、伝説の三忍として名高い現五代目火影、綱手師匠の机の上。
「ん?そしてお前らは今どこにいる? あ?」
体内の血の気の引く音がこうも耳に響くとは。
だから云ったじゃん。ほんとこれ、どかに着くかわからないのが難点だって。
*
術を使った事による疲労感に更に正座と云う行為。
「聞いてるのかナナミ!!」
「さっせん!!!」
―伝説の三忍。恐ろしや。
何とか怒りを鎮め、師匠は助手であり付き人のシズネさんに俺らのせいで散らばってしまった書類を整理させながら、お茶を啜る。
「で…あの術を使ってまで
「あ…あー話せば長いのですが…。」
流石の俺もこの人には頭が上がらない。幼い頃からお世話になっている。
6歳になる頃に師匠のことを知り、ジジィに頼み込みこの人の元で2年ほどお世話になった。元から弟子なんかとる性分ではないと云い張っていたが、随分
「じつはここ数か月前にジョブチェンをしまして…」
「貴様の人生はゲームか…。」
ごもっとも。だが俺は話を進める。
「今聖職者として他社の製品と戦ってます。」
「あながち間違えてませんが、でもなんか違いますよ…。」
アレンのツッコミで項垂れる俺。だってやっぱ説明しにくいんだもん。師匠は云いたいことをはよ云えと急かす眼差しでこちらを見てくる。
「師匠…師匠も悲しい出来事ありましたよね…?」
この言葉で室内が冷たい空気に包まれ、一気に静まる。シズネさんが何か云いたげだっだったのを制止をかける師匠。続けろと云う。俺はお言葉に甘え続けさせていただくことにした。隣にいるアレンはまさかと云わんばかりに表情を曇らす。
「"最愛の人が亡くなる"と云うのはいつどの時どんな人にも起こります…人々はそれを悔い、そして寂しくなりその亡くなった人を思ってしまう…それをこう云います"悲劇"と。」
頭の中には実際には会ったことがないが何度も
「その"悲劇"を材料にして機械と憎悪で動く…通称AKUMAと呼ばれるものを破壊してます。」
「悲劇…悪魔か…。」
「はい、でもそれはその辛い!と思っただけで生まれるわけではありません。そいつらを製造する奴がいます……」「千年伯爵。」
周りがキョトンとする。その声の主は白髪に似合わず若い少年の声、左の額からその頬にかけた呪いの印を持つ…アレン・ウォーカーが口を開けた。彼の周りをもの珍しそうに飛び回る金のゴーレムティムキャンピーがキラッと光る。
彼女の同僚です。と軽く会釈してから会話を続ける。
「千年伯爵…ヤツは人々の弱みに付け込み沢山のAKUMAを製造してます。僕らのいる世界では彼の終焉に向かうシナリオに終止符を打つために彼と戦ってます。」
「その為に存在するのがエクソシスト…神の結晶と呼ばれしイノセンスを武器化して戦う…イノセンスの適合者を集めてる中央が黒の教団って云うんっす。」
「で、お前がそこに在籍してると…」
ウッス。と小さく頷く
「でもお前…イノセンスとやらを所持していたのか?」
3年も世話を見て、今までも雑用として傍らにいた俺にそんなもの知らんわ。と云いたげに小首を傾げる。これまた俺は頷く。
「ありました、声っすよ。」
「声?」
「正式に云えば声帯自身がイノセンスです。どうやら俺の声から発せられる波長などに機能があります。」
師匠にも思い当たる節があったみたいだ。意識はしていなかったが、この能力に気づいてから歌う方がチャクラの消費が少ないことに気づいて治療忍術する時なんかは、そんな俺の姿を見ていたと。
姿を見られていたとなる言い訳できないが、説明の手間省けたな。
黒の教団の事やAKUMA、千年伯爵のことを少し話し終えてタイミングを見計らい…
「そしてこいつが…アレンって云う俺と一緒イノセンスを体内に宿した仲間でさぁ。」
「うぇ…あ、改めて、アレン・ウォーカーと申します…ッ!!?」
立って挨拶でもしようと思っていたのかが…俺と一緒に正座をさせられていたアレンは慣れない体勢だったせいかしゃがみ込んでしまい折角の似非紳士挨拶が失敗と終った…。こちらと、俺の転移先では色々違う。その事をレポートにまとめることになったと伝える。
「んで机の上にか?」
「それはホントすんませんって!反省してますから!」
にんまりといたずらを楽しむような目つきで俺らを見る。ほんとこういったところはおばあちゃんだよな。見た目をごまかしても駄目だな…。と云ったらお天道さまを拝めなくなってしまう。
師匠は「だったら好きにこの街を見るがいいさ」といい木ノ葉の観光マップを手渡す。
しわくちゃの地図
(こいつはヒドイ!)(だけどヒーローがうまれた場所)
