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いくら嫌いなヤツでも眼の前で致命傷を負われては見捨てるわけにはいかない。
僕は荒ぶる気持ちを抑えきれずAKUMAに渾身の一撃をイノセンスで食らわせば
赤い髪の少女は一生懸命に仲間の名前を呼ぶ。その時ふと"なんであの時ナナミさんが早く壁を壊せと云ったのだろう"。もしかしてこれが預言、起きるべくして起きた事実…?
「ナナミさん…もしかしてこれも
「……そうだって云ったらどうする?」
「ど…どうするって…」
暫く沈黙が続いたけれど彼女は豪快に笑った後神田の傷口にそっと触れる。僕らの間になんとも云えない空気が漂うが、
「なーんてな!確かにさっきは預言したからお前に早く壁を壊すよう指示したんだ。」
なんてあっけらかんとする彼女は余計にこちらの思考を鈍らせる。きっと
しばしの沈黙。すると彼女はぽつりぽつりと言葉を紡ぎ、歌を歌う。とても心地の良い歌で今が任務だということを忘れ聞き入ってしまった。そして歌い終われば神田の傷口が塞がっていた。…え?な、治ってる!?目の前で起きた現象に驚き戸惑っていると…
「っ…ぐ、はっ!」
突如ナナミさんは吐血し、倒れた。
次々舞い込んでくる情報過多についていけない。が、そんなことよりまずは彼女をなんとかしなければ!
急ぎ抱き起こすが辛そうなので仰向けに寝かす。がなんだか違和感、失礼しますと団服を脱がす。言葉に詰まる…団服の下の服何故か血まみれに…既視感。そう先程神田が受けた傷とまったく同じ場所に、同じ傷が付いていた。
「ナナミさん?!どうしたんですか?一体何が…っ」
血の気の引く音が聞こえる―
返事がないもだのから。何度も声を掛ける、しばらくすると返事を返してくれた…彼女は生気のない顔を浮かべ、僕の頬に触れる。
「わりぃな…心ぱ、いさせて…これが、俺ののうりょくだ…」
「なんで謝るんですかっ?」
確かに吐血や血色のない顔色には驚いた。が、イノセンスは神の結晶であり、適合者に人以上の能力に力を与えてくれる半面それなりの代価だってあっても可笑しくない。
大体この世で"歌"で人の傷を治癒するだなんてまったくもってありえない話だ、だけど彼女はイノセンスがあるかぎりそれが実現できる、けどその傷を受け取ってしまう。
こんな小さな女の子なのに僕よりシンクロ率は高く、その上伯爵から追われる身。ナナミさんには大変重荷なんじゃないのかな、この十字架は。気づけば僕は彼女を抱きしめていた。彼女は驚いている様子。だけど面白い事に何故か僕は冷静でいられた。
「団服…汚れるぞ?」
「構いません。それより一人で背負い込まないでくださいね?僕達は仲間なんですから、頼ってくださいよ。」
「…努力する。」
云っている事が理解できないみたいで相槌が曖昧だけど、意味はわかってくれたみたい。理解してくれて嬉しい。
が、よしっ。と立ち上がり神田をおんぶの状態にさせ紐に括り歩き始めるナナミさん。思わずなにをしてるのかとツッコまざる得なく、それに対して"この場に留まってたら危ないから移動する"なんて涼しい顔で云いますが…!
「あなたはけが人ですよ!?それなのに自分より一回りも大きい人を運ぼうだなんて信じられません!」
「えーだってユウちゃん置いてきぼりじゃあさすがにまずいだろ?」
「おいてくおいてかないの問題じゃなくて~っ!兎に角神田もトマも僕が運びます!!」
「アレンだってケガしてんじゃん〜」
「僕はまだ軽いんで大丈夫です!」
言い争いは平行線で決着つかず…結局ナナミさんは神田を縛ってしまったとのことで彼を運び、僕がトマを運ぶことに。神田許すまじ。
*
暫く歩いていると誰かの歌声が聞こえた
ナナミさん?いや、彼女とはまた違った雰囲気だ
なんなんだ一体…透き通った声はドコか悲しかった…。
老人と少女の会話…悲しい歌…そして知ることになる真実。―つまり…人形、イノセンスの方は…。
―ザリッ
しまった!つい足を動かしてしまい砂利と靴からほんの微かの音が漏れてしまった。
お陰でうっかり立ち聞きしてしまった…最悪なタイミングで
「見つかっちまったじゃねーか。」
まさにナナミさんの云う通りで歌が聞こえる方向に進んでいったら不本意ながら現在に至ると…。
この際見つかってしまった流れで、キミが人形だったんですね。と云えばなんだか空気がざわつく…あれ?なんでナナミさん…
「神田を下おろしてどうした…
―ガッ
え…」
神田を何故か隅に置いたタイミングだった…何か掴む音が聞こえたと思ったら人形…ララが側にあった石柱を掴んでいた。―刹那、石柱を投げ捨てた。僕らに向けて…。あんな小柄な女の子が出せる握力腕力ではない。さすがイノセンスの力だ…。って云ってる場合ではない。
僕もすかさずトマを神田のそばに置く。
「聞いてくれそうにないな。」
「おめぇが地雷踏んだからなぁ…」
地雷…とはよくわからないけど、取り敢えずピンチだってことはわかった。僕らは各々の
飛んできた石柱を僕の左手で受け止める。ナナミさんがトンッと受けとめた脊柱に乗る、目配せすれば僕はそのまま石柱を投げ飛ばす、ナナミさんもそのまま一緒に突っ込み、飛び降り反対側や取りこぼした…
―バババババン
「え!?石柱を……っ」
石柱を破壊していく。だってまた投げられても困っちゃいますからね。先に
「もう投げるものは無いですよ。」
「何か事情があるなら教えてみ?俺等なぁーんもしねぇから。」
「可愛いコ相手に戦えませんよ。」
「…………(グランドマザコン)」
ララは口をぽかんと開けたまんまだっし、何故かナナミさんが生暖かい目線を向けてくるのには謎でしかなかったけど。
*
隅の方に場所を移し話し合うことに。ララはグゾルに抱きかかえられながらポツリポツリと呟いた。
「グゾルはもうじき死んでしまうの…それまで私を彼から離さないで、この心臓はあなた達にあげていいから…!」
ララの必死な願い。彼女の云い分はわからなくもない…。僕は、僕らは待つ事に了承するつもりだったが……
「最後まで人形として動かせて!お願い。」
「わかっ…「ダメだ。」
神田が起きた。そして開口一発はララの願いを拒絶する返答。
「その老人が死ぬまで待てだと…?この状況でそんな願いは聞いてられない…っ」
「おいっ、そこまで云わなくていい…「うるせー俺達はイノセンスを守るためにここに来たんだ!!今すぐその人形の心臓を取れ!!」
ナナミさんが神田を落ち着かせようとするがイノセンスの確保の一点張りだ。彼の云うことはご尤もだが…反論の言葉を探すより先にナナミさんが渾身のビンタを神田に食らわす…。食らった彼は何故?と言わんばかりに納得いかない表情を浮かべる。
「俺はまだ取らない」
「……っ!ふざけるな!俺らだって時間って云うものが限られている。」
確かにさっきも思ったが僕らエクソシストの"優先順位"はイノセンスの保護だ。だけど彼女の思う儚く脆い"尊きいのち"を重んじるのも間違いではない。
「ペーペーのお前になにがわかるって云うんだ!」
「ああわかんねぇさ!だけどもう少し待ってやってもいいじゃねェか!?いままで"たったふたり"で生きてきたんだ!最後の願いくらい叶えさせてやろうよ!」
お互い一歩も譲らない、エクソシストとして…人として…それなら僕は―
「ごめん、僕も取りたくない。」
僕はナナミさんと同じだ。彼女の前に立ちそう神田に告げれば僕らに向けてナニかを投げつけた。
「その団服はケガ人の枕にするもんじゃねぇんだよ…!!」
投げつけたのは…ナナミさんが神田とトマが楽になるようにと団服を枕としてひいていたふたりの団服だった。エクソシスとが着るものだ。神田はそう云いながら団服を羽織って立ち上がり俺達の間を通り…"犠牲があるから救いがあると云い捨てララ達に近づく。
制止をするふたり…グゾルはララを守ろうと弱い力で彼女を抱きしめる、刀がララに近づく…こんなの見てもいられない!すかさず止めに入る―
「「じゃあ、僕(俺)がな(るよ)りますよ、その犠牲とやらに。」」
老練者と新人
拮抗するふたつの意見、思い合うふたりの意地
