サードナンバーズで「I LOVE YOU」
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
突然照明が消えた。
「停電かな?」
暗視モードをオンにすれば彼女の不安そうな顔が良く見えた。
「すぐ復旧するよ」
そう言えば曖昧に笑う顔が見えた。俺たちは機械だからこんな暗闇たいしたことでは無いのだが、人間である彼女には不便だろう。自分の手すら見えない暗闇の中で不安を感じるのは無理もないことだ。
おもむろに彼女の隣に座れば、突然の振動を感じてか、びくりと体を震わせる。
「大丈夫、俺だよ」
声をかければ安心したのか少しだけ肩から力が抜けたように見えた。そのまま手を握れば驚いたように跳ねる。けれどすぐに握り返してきた。
そういえば、と窓のシャッターを遠隔操作で開ければ月明かりが差し込んできた。今日は満月だ。
「外の方が明るいね」
彼女は月を見上げながら眩しそうに目を細めた。それからしばらく二人でぼんやりと空に浮かぶ月を見ていた。
「……綺麗な月ですね」
ポツリと呟いた言葉に俺は同意を示す。
「ああ、本当にね」
何気ない会話なのにそれがなんだかくすぐったくて心地よい。
「そうだ!」
俺は思いついたように立ち上がる。
「こんなに月が綺麗な夜だもの。踊ろう、二人で」
その言葉にきょとんとした表情を浮かべた彼女だったが、やがて可笑しそうに笑い出した。
「ふふっ、いいですよ。踊りましょうか」
そう言って立ち上がった彼女の手を取り、部屋の中央までエスコートする。
音楽はないけど、二人なら何もいらない。
ゆっくりとした動作で動き出す。最初はぎこちなかったそれも次第に滑らかになる。
ただお互いの手を取って回るだけだ。それでも不思議と心が弾む。それはきっと相手が彼女だからだろう。彼女と一緒ならばどんなことでも楽しくなるに違いない。そんな気がした。
ふたつの影がくるりくるりと入れ替わりながら近づいて、ついにはひとつになった。
「停電かな?」
暗視モードをオンにすれば彼女の不安そうな顔が良く見えた。
「すぐ復旧するよ」
そう言えば曖昧に笑う顔が見えた。俺たちは機械だからこんな暗闇たいしたことでは無いのだが、人間である彼女には不便だろう。自分の手すら見えない暗闇の中で不安を感じるのは無理もないことだ。
おもむろに彼女の隣に座れば、突然の振動を感じてか、びくりと体を震わせる。
「大丈夫、俺だよ」
声をかければ安心したのか少しだけ肩から力が抜けたように見えた。そのまま手を握れば驚いたように跳ねる。けれどすぐに握り返してきた。
そういえば、と窓のシャッターを遠隔操作で開ければ月明かりが差し込んできた。今日は満月だ。
「外の方が明るいね」
彼女は月を見上げながら眩しそうに目を細めた。それからしばらく二人でぼんやりと空に浮かぶ月を見ていた。
「……綺麗な月ですね」
ポツリと呟いた言葉に俺は同意を示す。
「ああ、本当にね」
何気ない会話なのにそれがなんだかくすぐったくて心地よい。
「そうだ!」
俺は思いついたように立ち上がる。
「こんなに月が綺麗な夜だもの。踊ろう、二人で」
その言葉にきょとんとした表情を浮かべた彼女だったが、やがて可笑しそうに笑い出した。
「ふふっ、いいですよ。踊りましょうか」
そう言って立ち上がった彼女の手を取り、部屋の中央までエスコートする。
音楽はないけど、二人なら何もいらない。
ゆっくりとした動作で動き出す。最初はぎこちなかったそれも次第に滑らかになる。
ただお互いの手を取って回るだけだ。それでも不思議と心が弾む。それはきっと相手が彼女だからだろう。彼女と一緒ならばどんなことでも楽しくなるに違いない。そんな気がした。
ふたつの影がくるりくるりと入れ替わりながら近づいて、ついにはひとつになった。