ヤンデレナンバーズ(Ver.1.0)
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逃げた先も足場や梯子が入り組み、まるで迷路のようだ。なぜかところどころ穴の開いた足場を飛び越え、梯子をよじ登り、偶然居合わせたスナイパージョーが慌てて避けるのを申し訳なく思いながらもスピードは緩めず駆け抜けた。
しかし飛び乗ろうとした足場がなぜか消え、そのままナナシは水路へ落下する。
「水だ!落ちたら濡れちゃうよ」
「濡れたらショートしちゃうよぉ……」
ヒートマンとスパークマンは消える足場を恨めしそうに一瞥すると諦めて帰っていった。
一方、ナナシは落ちた勢いのまま深く沈み、そのまま浮かび上がれず溺れかけていた。全速力で走ったり飛んだり跳ねたりした代償として体力も気力も尽きかけていた。
早く水面へ上がらなければと思うのに、足はもたついてうまく動かない。衣服が水を吸いまとわりつく。光へ手を伸ばした先には泡が昇っていくだけである。
「まさか君から飛び込んで来るなんてね」
水でくぐもった鼓膜にやけにクリアに音が響く。いつのまにかバブルマンが目の前を泳いでいた。
「……助けて欲しい?」
声にならない泡が唇からこぼれる。
「僕としてはこのままでいいけど……さてね」
意識がかすむ。無数の気泡の先でバブルマンが笑った気がした。
※ ※ ※
気が付くとバブルマンの自室であるプールで床に寝かされていた。
どれだけの時間気を失っていたか分からないが、かけられているバスタオルが水を吸って重くなっている。
バブルマンが水面から顔を出す。
助けるまで間があったような気がするが、助けてくれたことに変わりはない。礼を伝えると、僕は救命ロボじゃないから次は無いよ、と言い残し水中へ消えていった。
→ 17.次へ
しかし飛び乗ろうとした足場がなぜか消え、そのままナナシは水路へ落下する。
「水だ!落ちたら濡れちゃうよ」
「濡れたらショートしちゃうよぉ……」
ヒートマンとスパークマンは消える足場を恨めしそうに一瞥すると諦めて帰っていった。
一方、ナナシは落ちた勢いのまま深く沈み、そのまま浮かび上がれず溺れかけていた。全速力で走ったり飛んだり跳ねたりした代償として体力も気力も尽きかけていた。
早く水面へ上がらなければと思うのに、足はもたついてうまく動かない。衣服が水を吸いまとわりつく。光へ手を伸ばした先には泡が昇っていくだけである。
「まさか君から飛び込んで来るなんてね」
水でくぐもった鼓膜にやけにクリアに音が響く。いつのまにかバブルマンが目の前を泳いでいた。
「……助けて欲しい?」
声にならない泡が唇からこぼれる。
「僕としてはこのままでいいけど……さてね」
意識がかすむ。無数の気泡の先でバブルマンが笑った気がした。
※ ※ ※
気が付くとバブルマンの自室であるプールで床に寝かされていた。
どれだけの時間気を失っていたか分からないが、かけられているバスタオルが水を吸って重くなっている。
バブルマンが水面から顔を出す。
助けるまで間があったような気がするが、助けてくれたことに変わりはない。礼を伝えると、僕は救命ロボじゃないから次は無いよ、と言い残し水中へ消えていった。
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