ヤンデレナンバーズ(Ver.1.0)
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「お、いたいた」
「?!」
扉からフラッシュマンが顔を出す。
「そう警戒すんなって、俺はワクチン接種済みだ」
ということは博士はワクチンを完成させたのだろう。事態の収束に光明が見えたことに安堵する。
フラッシュマンは博士に頼まれて感染したナンバーズにワクチンプログラムをインストールして回っているらしい。人間である博士やナナシが関わらない限り、感染しても暴走することは無いため、タイムストッパーを使う必要もなかったそうだ。
「俺の仕事もこれで最後だ、シャドーマン」
「……」
「と言うと?」
「シャドーマンも感染者だ」
フラッシュマンがチップをシャドーマンに差し出す。シャドーマンは何も言わずチップを受け取り、ワクチンプログラムをインストールし始めた。
「ウイルスは人間に対して異常な執着を起こすが、その執着の現し方は個体により異なる。シャドーマンの執着はお前を守るという方向に働いたようだな」
「なるほど。シャドーさん、ありがとうございました!」
「あ、そういや博士がメシは研究室へ持ってこいっつってたぜ」
「今の今まで逃げ隠れてたのに用意できてないわよ……」
そうはいってもわがままな主のことだ、少しでも夕食が遅れれば不機嫌になるだろう。そのしわ寄せは自分が受けることになる。
急いで簡単に作れるものを持っていくとしよう。
そうしてナナシが去った後のこと。
「かたじけない、フラッシュマン殿……拙者は……」
「……まっ、独占欲くらい誰にでもあるだろ。今回のことは気にすんな」
シャドーマンはフラッシュマンに一礼すると影に溶けて消えていった。
「誰にでも、ね」
フラッシュマンは自嘲的に笑い、踵をかえす。
ウイルスはロボットに、人間に対する異常な執着を起こすが、実はもとから持っている感情を増幅しているに過ぎない。それをシャドーマンは気が付いていた。気が付いていたうえで止められなくなっていた。
独占欲に似た感情の名前は知らないままに。
(END)
「?!」
扉からフラッシュマンが顔を出す。
「そう警戒すんなって、俺はワクチン接種済みだ」
ということは博士はワクチンを完成させたのだろう。事態の収束に光明が見えたことに安堵する。
フラッシュマンは博士に頼まれて感染したナンバーズにワクチンプログラムをインストールして回っているらしい。人間である博士やナナシが関わらない限り、感染しても暴走することは無いため、タイムストッパーを使う必要もなかったそうだ。
「俺の仕事もこれで最後だ、シャドーマン」
「……」
「と言うと?」
「シャドーマンも感染者だ」
フラッシュマンがチップをシャドーマンに差し出す。シャドーマンは何も言わずチップを受け取り、ワクチンプログラムをインストールし始めた。
「ウイルスは人間に対して異常な執着を起こすが、その執着の現し方は個体により異なる。シャドーマンの執着はお前を守るという方向に働いたようだな」
「なるほど。シャドーさん、ありがとうございました!」
「あ、そういや博士がメシは研究室へ持ってこいっつってたぜ」
「今の今まで逃げ隠れてたのに用意できてないわよ……」
そうはいってもわがままな主のことだ、少しでも夕食が遅れれば不機嫌になるだろう。そのしわ寄せは自分が受けることになる。
急いで簡単に作れるものを持っていくとしよう。
そうしてナナシが去った後のこと。
「かたじけない、フラッシュマン殿……拙者は……」
「……まっ、独占欲くらい誰にでもあるだろ。今回のことは気にすんな」
シャドーマンはフラッシュマンに一礼すると影に溶けて消えていった。
「誰にでも、ね」
フラッシュマンは自嘲的に笑い、踵をかえす。
ウイルスはロボットに、人間に対する異常な執着を起こすが、実はもとから持っている感情を増幅しているに過ぎない。それをシャドーマンは気が付いていた。気が付いていたうえで止められなくなっていた。
独占欲に似た感情の名前は知らないままに。
(END)