監視の眼差し


本日は火曜日。今日は出勤後に同僚達と飲みに行く予定だ。
所謂女子会という名目だが、どうやらレストランのディナーコースを予約してあるとの事なので「お洒落して来てね!」と言われたので、前日の夜からクローゼットを漁り結果普段あまり着ないワンピースを着用する事に。
それは私の事を見慣れている筈のマツバさんですら、目を丸くする程に見慣れない服装であった。

「……どうしたの?なんかいつもと違わない?」
「今日は仕事が終わったら女子会があるんですよ」
「そうなんだ。それにしても……普段の君があまり着ない服だね」
「お洒落して来てねと言われたので……変ですかね?」
「いや!そんな事は無い!絶対に無いよ!……良く似合ってるし、凄く可愛いよ!」
「……ありがとうございます」

マツバさんと私はミナキさんを通じて知り合った、いわば幼馴染という関係だ。親友とも呼べる人だと私は認識している。
そんなマツバさんは、仕事が忙しい私の為に毎朝わざわざお弁当を作っては届けてくれるのが日課になっていた。マツバさんだって修行に励んでいる上にジムリーダー業も兼任していて忙しい筈だ。なので何度も遠慮したものの、彼は「僕がやりたくてやっている事だから」と言い、お弁当作りを止める事は無かった。なのでお言葉に甘えて有難くお弁当を頂いているという訳になる。それが二人の間でのお決まりのような事になっており、今日も朝の修行を終えたマツバさんからお弁当を受け取ろと待ち合わせたら、彼はいつもと違う私の服装に驚いてしまったというのが今の現状であった。
マツバさんは私をまじまじと見つめながら口を開く。

「……女の子だけの集まりなんだよね?」
「えぇ、女子会と聞いてます」
「それならいつもの格好でも良くないかい?あ!いつもの君の服装がお洒落じゃないって事では無いから!ただ……いつもより何だかふんわりしていると言うか……うーん、上手く言えないけど……何だか気掛かりだなぁ」
「お洒落なレストランに行くって話だったので、ラフな服装を避けたらこうなっただけですよ」
「……とりあえず、これ、今日のお弁当だから」
「いつもいつもありがとうございます。マツバさんのお弁当……和食の勉強になるので有難く頂いてます」
「それはどうも」
「あ、そろそろ行かなきゃ。それじゃあマツバさん、行ってきます」
「……行ってらっしゃい」

お弁当を受け取り、マツバさんに背を向けて歩き出す私の姿を彼はずっと見つめていた。……着慣れないからやっぱり変なのかな?とも思ったけど、マツバさんの言葉を信じて私は今日も元気に労働に赴くのだった。

◇

「わー、今日気合い入ってるじゃん!でもメンバー的にも良い感じだし……そのくらい力入ってる方がハイスペを狙えるかも!」
「え……?ハイスペ……?」
「そう!今日のメンツは何せイケメンばかり!しかもエリートトレーナーにおぼっちゃまに……なんと中にはお医者様もいるの!」
「……今日って女子会なんじゃないんですか……?」
「あー、予定変更というか、言葉の綾というか。本日は女子会も兼ねた合コンになりまーす!」
「え!」

仕事終わりに突然明かされた真実に、私は困惑してしまった。

「合コンだなんて聞いてないですよ……」
「まぁまぁ。これも何かの縁だと思って!それに仕事ばかりじゃ干からびちゃうしリフレッシュも大事だからね!」
「私……合コンなんて行った事が無いですし……」
「あら!それなら経験のひとつになるじゃん!大丈夫だってー!そこまで緊張しなくても!」

女子会とだけ聞かされていたので、それが合コンだったと言う事実を知り狼狽える私を他所に、同僚達は各々気合いを入れて化粧直しに励んでいる様子だった。
初めから合コンと知らされていたら、私はきっと断っていただろう。でも今更行かないと言っても「人数欠けちゃうのはまずいから~」と返されてしまったので、もう行くという選択肢しか無かった。

「とりあえずテキトーに話合わせて、美味しいご飯ご馳走になるくらいの感覚でOKなんじゃない?」
「……なら、私は食べる事に専念しますね……」

初めての合コンに緊張する私とは裏腹にやる気満々な同僚達との落差をひしひしと感じたものだ。まぁ……隅っこで大人しくしてよう。きっと誰も私になんか興味持たないだろうし。
そんな風に気持ちを切り替えても何処か残るモヤモヤを抱えながら、私達は指定されたお店にへと向かうのであった。

◇

「それじゃあ、乾杯~!」

指定されたお店は落ち着いたレストランだった。個室に案内されると男性陣は既にメンバーが勢揃いしていたようで、私達の訪れを皆が和かに歓迎してくれる。
とりあえずそれぞれ軽く自己紹介を始めるも、確かに男性陣は所謂世間で言うハイスペ男子に該当する人ばかりだった。
男性陣が自己紹介をする度にきゃー!とはしゃぐ同僚達の姿は、職場では見せない女の一面だと思えた。
そんな熱気溢れる彼女達に比べると、自分が場違いなように思えて仕方がない。いや、実際にその通りなのだろう。とりあえず彼女達の邪魔をしないように私は隅っこで大人しくしていようと誓う。盛り上がる会話に敢えて入らず隅っこで料理を食べて……、この場を終えようとしていたが、男性陣の一人が私に声を掛けてきた事で静かな時間は終わりを告げるのだった。

「ねぇねぇ!君が噂のコガネ百貨店の名物店員さんなの?」
「え、えーと……」
「確かクレーマーをポケモンバトルで退けているんだよね?凄いなー!強い子って魅力的だよね」
「あ、あはは……。ありがとうございます」
「あ、グラスが空いてるね!何飲む?ビール?それともワイン?」
「あ、ええと……。じゃあ……このラム酒のモーモーミルク割で……」
「モーモーミルク好きなの?美味しいよね~!」
「俺も子どもの頃飲んでたよ!」

……何故か私に興味を持った男性陣から話し掛けられて、必然的に会話の輪の中に入る事になってしまった。心做しか同僚達の視線が痛いんですが……どうか私の事は放置でお願いします、とは流石に言えず愛想笑いを浮かべるのみ。一刻も早くこの時間が終わらないかなと思っていても、男性陣は次々に私にへと話題を振っていく。

「さっきから思ってたんだけど……食べてる姿が可愛いね~!ほら、どんどん食べなよ!」
「お酒はあんまり飲まないの?弱い感じ?」
「手持ちのポケモンってどんな子達がいるの?」
「君みたいな可愛い子に接客されてみたいな~!因みにジョウト地方出身なの?」

……なんだろう、これは面接か?と思うぐらいに色んな事を彼らは聞いてくる。とりあえず会話が長引かないように端的に答えるものの、それでも話は続いていく。ピリつく女性陣からの視線に耐えきれなくなり、とうとう私は一旦御手洗に避難する事にするのだった。まだそこまで時間は経ってないのに、どっと疲れが滲み出てきた。

「……確か二時間コースって言ってたな。……今でどのくらい経ってるんだろ……」

腕時計を見たら、一時間は経っていた。
流石に残りの一時間の間、席を外す事は出来ない。頻繁にお手洗いに向かうのも何だかなーと思っているとスマホがブーブーと振動している事に気付く。画面を見ると着信相手は……マツバさんからであった。もうそろそろ席に戻ろうとしていたので、後で折り返せば良いかなと思って電話を取らないでいたが、一向に振動は鳴り止まない。このまま席に戻っても、マツバさんは出るまで私に電話をかけ続けるだろう。そんな予感がしたので恐る恐る通話ボタンを押して見ると、マツバさんの声が耳に響いた。

「……やぁ、女子会はどう?」

電話越しのマツバさんの声は、何故だか無性に冷たかった。
長年の付き合いから、今の彼が酷く機嫌を損ねているんだと声色から伝わりはしたが……その原因に心当たりは無い。
戸惑いを隠しながらも私はマツバさんの言葉に返事をする。

「……楽しくやってますよ。あの……そろそろ席に戻らないと行けないので一旦通訳を切っても大丈夫ですか?」
「……駄目って言ったら?」
「え……えーと、急用ですか?」
「急用と言えば急用だね。……その他に何か僕に言う事ないの?」
「え?」
「あ、そういう風に誤魔化すんだ?ふーん……」
「あ、あの……マツバさん?一体どうされたんですか……?」
「…………」

まるで私を問い詰めるかのような物言いに、思わずこの身が固まる。よく分からないけど……私はマツバさんは怒らせてしまったようだった。それなら謝るべきだが、何せ彼の怒りの原因が私には分からない。マツバさんは普段は温厚な人だが、そういうタイプの人程本気で怒ると怖いと言うし、自分でもそう思う。だからこそ直ぐさま謝罪したいけど……口先だけの謝罪なんて余計に怒りを買うだけだ。

「あの……マツバさん。どうして怒っているんですか?」
「……言わなきゃ分からない?」
「すみません……分からないです」
「そう。じゃあ言ってあげるね。……嘘つき」
「……え?」
「ほら、言ってあげたよ?君が僕に嘘をついたからこうなってるんだけど?」
「え、あの、マツバさん?私……嘘なんて……」
「ついただろ。……本当は君が誘われたのって女子会じゃないんでしょ?」
「……なんでそれをご存じなんですか……?」
「ようやく認めたね。その場に男がいるんでしょ?」
「あの……あ!一旦切りますね!後でかけ直します!ごめんなさい!」

マツバさんと話をしたくても、ここは合コンの場。あまりにも私が席を外していたから御手洗の外から私の名を呼ぶ同僚の声が耳に入り、私は反射的に通話ボタンを押してマツバさんとの会話を終わらせてしまった。色々な事が重なって少しばかり混乱しているものの、とりあえず席に戻らなくては……。この合コンが終わったら真っ先にマツバさんに連絡しよう……。
そう思いながら私は何とか残りの時間を愛想笑いで誤魔化して消費していくのであった。

とりあえず二時間経ったので、この場はお開きとなる模様。
終わったのならば急いで帰り支度をしなければ……と鞄を手に持った私を引き止めるかのように、男性陣が声を掛けてくる。

「あれ、もしかしてもう帰っちゃうの?」
「贔屓にしてるダイニングバーがあるからさ、二次会に行こうよ!」
「そうだよー!是非来て欲しいなー」
「来れそうに無いなら連絡先、聞いても良い?今度また会おうよ」
「え、えーと……あの……」

二次会に行くか、連絡先を教えるかの二択を迫られて私は情けない事にしどろもどろしてしまった。どうしよう……とこの場を切り抜ける案を必死で探していると、ふと……昔から聞き慣れた声が聞こえる。それと同時に……私は誰かに勢い良く肩を抱き寄せられた。

「遅れてごめんね?」
「え、なんで……マツバさんがここに……?」
「嫌だなぁ。夜道は危ないから迎えに行くって約束してたじゃないか」

音もなく、突然この場に現れたマツバさんに皆が驚きを隠せなかった。その皆には当然、私も含まれている。

「……え、マツバって……エンジュシティのジムリーダーの?」
「そうですね。これでも一応……エンジュのジムリーダーです」
「……お、お二人はどんな関係で……?」
「彼女は僕にとって特別であり、そしてとても大切な存在です」

マツバさんは和かにそう言いながら微笑む。
その姿を皆が呆然としながら見つめていたが、マツバさんは私を離す事なく言葉を続けていく。

「今日は彼女が随分とお世話になったようで……ありがとうございます。それじゃあ、僕達はこの辺でお暇しますね。ほら……帰るよ」
「あ……あの……、ご馳走様でした……!ありがとうございました!」

マツバさんはそう言って私の肩を抱いたまま歩き出したので、便乗するかのように私もお礼を行った後マツバさんに歩幅を合わせる。そんな私達を誰も追いかけてくる事は無く、無事?にあの場から離れる事が出来た。

しばらくしてマツバさんは私の肩から手を離したものの、先程まで見せていた和かな笑みが何処かに消失してしまったかのように、その顔は無表情なものになっていた。

「……あの、マツバさん……」
「……何?」
「なんで場所が分かったんですか……?それに……女子会じゃ無かった事も……」
「……僕は千里眼が使えるんだよ。そのぐらいお見通しさ」
「わざわざ使ったんですか?千里眼を……」
「当たり前だろ。僕は君の事を四六時中……見守っているんだよ」
「し、四六時中……?それって監視しているって事ですか?」
「それは言葉が違うな。あくまで見守っているんだって」

マツバさんは露骨に機嫌を損ねたように、言葉を吐き出していく。

「僕という存在がありながら……他の男がいる場になんて行って欲しく無かったよ」
「……?え、でも……私もいきなり合コンだって知らされたんです……」
「そうだとしても断って欲しかった」
「人数が欠けるのは駄目だって言われて……」

確かにマツバさんからしたら、女子会と言っていたのに蓋を開けたら合コンだったなんて嘘をつかれたと思われても仕方がないだろう。だけど、なんでマツバさんがここまで怒っているのか未だに分からない。怒っているといよりかは……拗ねていると言った方が正しいのかも。

「二次会の話……僕が居なかったら断れた?」
「それは……出来なかったかも知れないです」
「そうだろ?……君には隙があるんだよ。そこに付け入る輩だっている筈だ。現に彼らは中々諦めなかっただろ?」
「……隙を見せているつもりは無いのですが……」
「いや、男側から言わせて貰うと君は隙だらけだよ。……君は僕にとって大事な存在なんだ。だからこそ……僕は君を守りたいんだよ」

マツバさんはとても真剣な面持ちで私を見つめた。
もしかして……あそこまで彼が怒った訳は……、私の事を心配してくれたのかな?と思い始める。

「あの……心配かけてごめんなさい、マツバさん」
「うん、心配したよ。本気で。だから火曜の夜だけど再戦を即効で終わらせて来たよ」
「……あ!火曜といえばマツバさん……ヤマブキ道場の日でしたね……」
「まぁ、毎週絶対にヤマブキシティへと行く訳じゃないけどさぁ。今日は予定が入っていたからね。……でも間に合って良かったよ」
「……何だか、本当にすみません……」
「うん。とりあえず僕以外の前で今日みたいな服装はやめてね?あと予定も共有しようか?今後誘われたら僕に誰と何処に行くかを教えてね?」

マツバさんはそう言って、ようやく笑った。
だけど、その笑顔は夜のせいか暗闇に紛れてしまい何処か陰りを感じさせるものだった。この日以降、マツバさんは私に対してもはや依存に近いと思わせるような束縛を強めていく事となる。

果たしてこれで良いのだろうか?あの日から時が流れても答えが出る事は未だに無い。

◇

普段の彼女だって可愛いけど、あの日の姿は本当に愛らしいものだった。今すぐにでも彼女の事を抱き締めてしまいたくなる衝動を何とか押さえつけながら、僕は平然を装うが心臓が高鳴ってとても煩くて仕方がなかったものだ。
それぐらいあの日の彼女は本当に可愛くて……あの姿を誰の目にも映させたくなかった。そんな彼女は女子会に行くと僕に告げたが、その時点で何だか嫌な予感が己の中に芽生えたが、その予感は見事に的中した。あの後、僕は仕事終わりの彼女を千里眼で視てみたが、あろう事か彼女は僕以外の男と……しかも複数人と接触していたなんて、その衝撃は直ぐに男達へ向けた妬ましさへと変化していく。僕には女子会だって言ったのに……彼女は僕に嘘をついた事になる。僕にはそれが許せなかった。
いや、彼女の様子からして女子会では無く突然、合コンだと明かされたのは目に見て分かった。だから、厳密には彼女は嘘をついた事にはならないと思っているが、それでも激しい嫉妬の炎はメラメラと燃え盛っていくのだった。
僕は出会った頃から、彼女の事が好きだった。その好きには友情という感情は含まれ無い。じゃあ何だ?と問われると……子の想いは愛であると、僕は断言出来る。僕は彼女の事を一人の女性として愛しているのだ。そんな今も尚募っていく彼女への恋慕に、残念な事に当の本人が気付いてはくれていないのが僕の深刻な悩みでもあった。
だからこそ、こういう事態が発生してしまう訳であり。
二人が恋仲だったらこんな事だって起きないし、僕だって不快感を覚える事も無かっただろう。そう考えると、時たま頭が痛くなってしまうぐらいだ。
誰よりも愛しくて仕方がない彼女が、他の男達に言い寄られている姿なんて想像しただけで吐き気がする。
実際に上記のような事になってしまったのは、僕にとって大変に不愉快だった。とりあえず用事を爆速で終わらせて、コガネシティに戻った僕は彼女に電話を掛けた。出るまで何度も何度も……きっとあの日だけで彼女の着信履歴は僕の名前で埋まったぐらいには、しつこく掛け続けた。
電話を掛けた理由は、最終的な事実確認。
まぁ、この眼で視ていたから間違う事はないんだけど、電話越しにでも彼女の声を聞けば怒りも少しは静まってくれるんじゃないかと思ったが……それは逆効果だった。

僕の物言いに戸惑う彼女の声を聞いて「あぁ、やっぱりそこに居るんだ」と思い知らされる度に、紅蓮の炎の如き激しい嫉妬心が止まらなくなっていく。
どうせ、彼女がいるであろう店にまで行く事は決めていたんだ。なら、少し早めに着いて彼女が出てくるのを待つのも容易い。そこでハッキリと男達に彼女の事を諦めて貰わなくてはね……そんな思いから僕は誘いを受けている彼女の肩を自らの元へと抱き寄せた。
あの場で肩を抱かれて「大切な人」だと宣告すれば、例え二人が付き合っていなくても周囲は勝手に誤解してくれるだろう。
僕の言葉を聞いた男達の落胆した姿がとても愉快で仕方がなかった。

惚れた弱み抜きで……彼女はとても可愛らしくて、そして美しい存在であると僕は思う。別に外見だけで好きになった訳じゃないけど、整った顔立ちは夜に咲く麗しい月の光を連想させるような眩さを彼女は持ちうる。そんな魅力的な子ではあるが、彼女本人はどうやら異性への関心が薄いらしく……はっきり言うと男からの好意には非常に鈍感であるのだ。
だからこそ、僕がこれだけ愛しても未だに彼女には届かないのだろう。そんな訳で例えるならヤドン並に恋というものに疎い彼女であるが、そういう異性を意識しない……自然体の振る舞いに心惹かれる男も出てきてしまうのが、本当に僕は嫌だった。 彼女の鈍い一面も僕は可愛らしい部分だと思っているが、それが男の入り込みかねない隙となれば話は別だ。過去にも彼女の知らない所で思いを寄せて来た男達は結構な人数いたけど、僕という存在がそんな思いを砕いてきたのは彼女には内緒である。だって、彼女の事は、僕が……マツバという男が世界で一番愛しているのだ。だから他の男になんて絶対に渡さない。
彼女は僕と結ばれる為に生まれてきた存在なんだと本気で信じている。ここまで強い想いを抱く程に、僕は彼女の事しかみえていないし見るつもりもない。
だから、そろそろ彼女もフラフラしてないで僕の事だけを見つめて欲しいと切に願うのであった。

とりあえず今回の一件で、僕は彼女への監視の眼を強める事に決めた。これからは女友達よりも何よりも、第一に僕を優先させるようにガチガチに縛っていけたら良いなと企む。

でもね……もう既に噂は流れているんだ。エンジュシティのジムリーダーとコガネ百貨店の名物店員は恋人同士なんだってね。
だから僕が縛らなくても、彼女にはもう逃げ場なんて無いんだよ。いつ君はその事に気付くかな?
それが今からとても楽しみで仕方がないよ。これでもう、合コンなんて行けないしね?まあ、もう二度と行かせるつもりなんてないけど。
この噂がジョウト内で大きくなっていく度に、僕は愉悦に浸るのであった。

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