意地悪な夜明け
まだまだ夜明けより、すこしだけ少し前。僕はふと目を覚ましてしまった。修行にはまだ早いし、二度寝するには微妙な時間だったのでとりあえずぼんやりと未だはっきりしない意識の中でぼーっと天井を見つめていれば、ふと隣から小さな寝息が耳に届いた。僕はその寝息の主の元へ視線をやれば、目に映るのは誰よりも愛しい存在だった。
「……全く、寝顔も可愛いけど……寝息すらも可愛いのは反則だよ」
僕の隣ですやすやと眠りにつくのは、僕がこの世で一番愛してやまない女の子。普段の起きている時も可愛いけど、何処か幼い頃の面影が残るこの寝顔もまた良いものだ。
艶のある髪の毛をそっと指で掬い上げていれば、絡まる事なくさらりと流れていく。
そんな事を繰り返しながら彼女の寝顔を堪能していれば、寝息とは違う、小さな声を上げて彼女の閉じられいた瞳がゆっくりと開かれていった。
「……ん……、おはようございます……」
「おはよう」
「……マツバさんは、もう修行の時間ですか……?」
「いや、まだそれには少し早くてね。とりあえず君の寝顔を観察していた訳だよ」
「……つまり暇つぶしをしていたと言うことですね」
いつもはどちらかと言うとクールな彼女だが、流石に寝起き状態では凛とした瞳も眠たそうで、そして何だかふにゃふにゃしていてとても可愛い。
寝ていても起きていても、彼女は常に可愛いらしくて愛らしくてそして美しいのだ。彼女にそう告げたら「褒めすぎですよ」って苦笑を浮かべるだろうけど、真実なので仕方がないよね。
「……僕はとりあえず起きるけど、君はまだ寝てたら?」
「うーん……私も一緒に起きようかなと思います……」
「別に僕に合わせなくても良いんだよ?」
「……私が合わせたいんです。マツバさんと一緒にいたい……」
とりあえずベッドから出て、脱ぎ散らかした服を着ていると、彼女がそんな事を言い出したので、ふいうちを喰らったかのように僕の胸は良い意味でダメージを受ける。ちょっと、ゴーストタイプの弱点付くのは駄目だよ?その攻撃は僕には効果抜群なんだから。何?昨晩も散々愛し合ったのに、まだ足りないの?まだ時間はあるしもう一回愛し合っちゃう?
彼女の可愛すぎる発言に、思わず高鳴る胸の鼓動を何とか抑えた。精神統一……僕はとりあえず深呼吸をして平常心を取り戻した後に湧き上がった感情を何とか無かった事にしてみせた。
「……とりあえず、喉乾いたし僕は何か飲むけど、君は?」
「モーモーミルク……飲もうかな……」
「じゃあ君の分も取ってきてあげるよ」
「いや、私も……そろそろ起きます……。起きたいんですけど……マツバさん、私の服……そこら辺にないですかね?」
彼女は布団を被ったまま、僕にそう尋ねた。ちなみに昨日僕が脱がせ彼女の着衣は僕の足元に散らばっている。
服を早々に着た僕とは違い、彼女はまだ一糸まとわぬ姿で布団にくるまっているのだ。
……彼女の意図は分かっている。モーモーミルクを取りに行くにはベッドから出なきゃいけないけど、その場合必然的に裸を僕に見られる事になる。それが恥ずかしいのだろう。
だから服を探しているのだと僕は思う。それは間違いでは無いだろう。ここで服を一式僕が渡してあげるのが、彼女の望みでもありそれが正解なんだと思う。
だけど、さっき留めた筈の感情が僕にちょっとした悪戯心を芽生えさせていく。
「……君の服なんだけど、見当たらないなぁ」
「え!?そこら辺にありませんか?」
「うーん、探しているけど見つからないよ。きっとゲンガー達が悪戯で隠しちゃったのかも」
「ええ!?」
僕の言葉に彼女は困ったかのような声をあげる。
服は勿論ある。ゲンガー達は別室ですやすや眠っているので 、隠したりはしていない。
「マツバさん、探して貰っても良いですか?」
「……なんで?そのまま起きてくれば良いじゃないか」
「よ、良くないです!だって私……今裸なんですよ……!」
「うん、知ってるよ。僕が脱がせたからね」
「ご存知なら私の頼みを聞いて下さっても良いじゃないですか……!」
「やだー」
「マ、マツバさん……!なんで急にそんなに意地悪な事言うんですか!?」
「意地悪なんかしてないだろ?だから僕は気にしないって。ほら、喉乾いただろ?早くモーモーミルクを取りにいきなよ」
「うううう……恥ずかしくて……ベッドから出れません……!」
彼女はそのまま布団をすっぽり被って包まる。なんかこういうポケモン居そうだなと思いながら僕はそんな彼女に思わずニヤニヤとしてしまった。
「今まで散々見せてきたんだから、今更気にする事でもないんじゃない?」
「気にしますとも!は、恥ずかしい……!そうだ!マツバさんが別室に行って下されば良いんですよ!」
「それもやだ。僕は君が起き上がるまでここにいるよ」
「~っ!マツバさんの意地悪!破廉恥!」
おそらく今の彼女は布団の中で顔を真っ赤に染めているだろう。好きな子に意地悪したくなる男がいるって知ってたけど、僕も案外そうなのかも。だって、反応が可愛すぎるし……あ、まずいな、これ。癖になりそうかも。
「ほらー、早く起きなよ」
「マツバさんがいる限り私は起きません!」
「僕と一緒に居たいんでしょ?……なら、僕が起こしてあげようじゃないか」
「ひゃあっ!?何するんですか?!」
この反応をずっと味わいたいなと思っていたけど、あまりにも恥ずかしがる彼女が実に可愛いので、もうちょっと意地悪をしたくなってしまった。そんな僕は彼女の布団を強引に剥ぎ取ってそのままベッドに乗って彼女に覆い被さる。
「中々君が起きてこないから、僕が起こしに来てあげたよ」
「マ、マツバさん!ご自身は服着てるじゃないですか!?」
「うん、さっき君が寝ぼけてる時に着たけど?」
「なんで私の服が無くてマツバさんの服だけあるんですか?!……それっておかしいですよね!?」
「えー、知らないなぁ」
「も、もしや……!マツバさん、本当は私の服があったのにわざと取ってきてくれなかったのでは……?」
「あー、バレた?うん、あったよ君の服」
「なんでそんな事を……!い、意地悪するんですかぁ!?」
「好きな子程苛めたくなっちゃうんだよ、男ってさ。……それより、丸見えだけど?君の身体」
「!……や、やだ、見ないで下さい!千里眼をこんな破廉恥な事に使うのは駄目ですよ!」
「千里眼使わなくても見えてるって。……やっぱり夜よりも良く見えて、君は恥ずかしいね。僕は全然恥ずかしくないけど」
「うっ、うぅ……!そんな言い方狡いです……もう!みないで……っ!」
恥ずかしさのあまり涙目になっている彼女に加えて、この体制。しかも夜に致す時は彼女が電気を消してと頼むからそれを承諾して真っ暗にしていたけど、いや……朝が完全に訪れている訳じゃないけど夜に比べると明るいからまぁ彼女の身体もよく見える訳で。昨日僕が付けた痕まではっきり目視できる。
「今すぐに見るのを止めて、私の上から退いてください!マツバさん!」
「うん、それは聞けない頼みだなぁ。……ねぇ、まだちょっと時間があるし……もう一回しよ?」
「え、ちょっと……だめ……、や、マツバさん……!」
「君の反応があまりにも可愛すぎて……良いだろ?」
「良くないですってば!それにしゅ、修行前にこんな事……いけないんじゃないんですか!?」
「この後滝に打たれてくるから大丈夫だって。それに僕達は愛し合ってるから大丈夫だよ。これは美しい愛の営みだし……ほら、それに巷では朝活?ってのが流行ってるんでしょ?」
「あ、朝活って言葉で誤魔化そうとしないでください~!私の体力はもうギリギリですよ!瀕死なんですって!」
「みねうちにしておくから平気だって」
「~!も、もう!マツバさんてば!」
「……そんな意地悪な僕も好きなんでしょ?僕も君の事、愛してるよ」
「うぅっ……!それは……そうですけど……!」
僕の言葉に彼女はもごもごと口篭る。押しに弱い所がある彼女はきっとこのまま僕に食べられてしまうだろう。そんな所も愛しくて仕方がない。
清々しい朝の訪れまで、もう少し。
それまで僕達は再度深く愛し合うのであった。
「……全く、寝顔も可愛いけど……寝息すらも可愛いのは反則だよ」
僕の隣ですやすやと眠りにつくのは、僕がこの世で一番愛してやまない女の子。普段の起きている時も可愛いけど、何処か幼い頃の面影が残るこの寝顔もまた良いものだ。
艶のある髪の毛をそっと指で掬い上げていれば、絡まる事なくさらりと流れていく。
そんな事を繰り返しながら彼女の寝顔を堪能していれば、寝息とは違う、小さな声を上げて彼女の閉じられいた瞳がゆっくりと開かれていった。
「……ん……、おはようございます……」
「おはよう」
「……マツバさんは、もう修行の時間ですか……?」
「いや、まだそれには少し早くてね。とりあえず君の寝顔を観察していた訳だよ」
「……つまり暇つぶしをしていたと言うことですね」
いつもはどちらかと言うとクールな彼女だが、流石に寝起き状態では凛とした瞳も眠たそうで、そして何だかふにゃふにゃしていてとても可愛い。
寝ていても起きていても、彼女は常に可愛いらしくて愛らしくてそして美しいのだ。彼女にそう告げたら「褒めすぎですよ」って苦笑を浮かべるだろうけど、真実なので仕方がないよね。
「……僕はとりあえず起きるけど、君はまだ寝てたら?」
「うーん……私も一緒に起きようかなと思います……」
「別に僕に合わせなくても良いんだよ?」
「……私が合わせたいんです。マツバさんと一緒にいたい……」
とりあえずベッドから出て、脱ぎ散らかした服を着ていると、彼女がそんな事を言い出したので、ふいうちを喰らったかのように僕の胸は良い意味でダメージを受ける。ちょっと、ゴーストタイプの弱点付くのは駄目だよ?その攻撃は僕には効果抜群なんだから。何?昨晩も散々愛し合ったのに、まだ足りないの?まだ時間はあるしもう一回愛し合っちゃう?
彼女の可愛すぎる発言に、思わず高鳴る胸の鼓動を何とか抑えた。精神統一……僕はとりあえず深呼吸をして平常心を取り戻した後に湧き上がった感情を何とか無かった事にしてみせた。
「……とりあえず、喉乾いたし僕は何か飲むけど、君は?」
「モーモーミルク……飲もうかな……」
「じゃあ君の分も取ってきてあげるよ」
「いや、私も……そろそろ起きます……。起きたいんですけど……マツバさん、私の服……そこら辺にないですかね?」
彼女は布団を被ったまま、僕にそう尋ねた。ちなみに昨日僕が脱がせ彼女の着衣は僕の足元に散らばっている。
服を早々に着た僕とは違い、彼女はまだ一糸まとわぬ姿で布団にくるまっているのだ。
……彼女の意図は分かっている。モーモーミルクを取りに行くにはベッドから出なきゃいけないけど、その場合必然的に裸を僕に見られる事になる。それが恥ずかしいのだろう。
だから服を探しているのだと僕は思う。それは間違いでは無いだろう。ここで服を一式僕が渡してあげるのが、彼女の望みでもありそれが正解なんだと思う。
だけど、さっき留めた筈の感情が僕にちょっとした悪戯心を芽生えさせていく。
「……君の服なんだけど、見当たらないなぁ」
「え!?そこら辺にありませんか?」
「うーん、探しているけど見つからないよ。きっとゲンガー達が悪戯で隠しちゃったのかも」
「ええ!?」
僕の言葉に彼女は困ったかのような声をあげる。
服は勿論ある。ゲンガー達は別室ですやすや眠っているので 、隠したりはしていない。
「マツバさん、探して貰っても良いですか?」
「……なんで?そのまま起きてくれば良いじゃないか」
「よ、良くないです!だって私……今裸なんですよ……!」
「うん、知ってるよ。僕が脱がせたからね」
「ご存知なら私の頼みを聞いて下さっても良いじゃないですか……!」
「やだー」
「マ、マツバさん……!なんで急にそんなに意地悪な事言うんですか!?」
「意地悪なんかしてないだろ?だから僕は気にしないって。ほら、喉乾いただろ?早くモーモーミルクを取りにいきなよ」
「うううう……恥ずかしくて……ベッドから出れません……!」
彼女はそのまま布団をすっぽり被って包まる。なんかこういうポケモン居そうだなと思いながら僕はそんな彼女に思わずニヤニヤとしてしまった。
「今まで散々見せてきたんだから、今更気にする事でもないんじゃない?」
「気にしますとも!は、恥ずかしい……!そうだ!マツバさんが別室に行って下されば良いんですよ!」
「それもやだ。僕は君が起き上がるまでここにいるよ」
「~っ!マツバさんの意地悪!破廉恥!」
おそらく今の彼女は布団の中で顔を真っ赤に染めているだろう。好きな子に意地悪したくなる男がいるって知ってたけど、僕も案外そうなのかも。だって、反応が可愛すぎるし……あ、まずいな、これ。癖になりそうかも。
「ほらー、早く起きなよ」
「マツバさんがいる限り私は起きません!」
「僕と一緒に居たいんでしょ?……なら、僕が起こしてあげようじゃないか」
「ひゃあっ!?何するんですか?!」
この反応をずっと味わいたいなと思っていたけど、あまりにも恥ずかしがる彼女が実に可愛いので、もうちょっと意地悪をしたくなってしまった。そんな僕は彼女の布団を強引に剥ぎ取ってそのままベッドに乗って彼女に覆い被さる。
「中々君が起きてこないから、僕が起こしに来てあげたよ」
「マ、マツバさん!ご自身は服着てるじゃないですか!?」
「うん、さっき君が寝ぼけてる時に着たけど?」
「なんで私の服が無くてマツバさんの服だけあるんですか?!……それっておかしいですよね!?」
「えー、知らないなぁ」
「も、もしや……!マツバさん、本当は私の服があったのにわざと取ってきてくれなかったのでは……?」
「あー、バレた?うん、あったよ君の服」
「なんでそんな事を……!い、意地悪するんですかぁ!?」
「好きな子程苛めたくなっちゃうんだよ、男ってさ。……それより、丸見えだけど?君の身体」
「!……や、やだ、見ないで下さい!千里眼をこんな破廉恥な事に使うのは駄目ですよ!」
「千里眼使わなくても見えてるって。……やっぱり夜よりも良く見えて、君は恥ずかしいね。僕は全然恥ずかしくないけど」
「うっ、うぅ……!そんな言い方狡いです……もう!みないで……っ!」
恥ずかしさのあまり涙目になっている彼女に加えて、この体制。しかも夜に致す時は彼女が電気を消してと頼むからそれを承諾して真っ暗にしていたけど、いや……朝が完全に訪れている訳じゃないけど夜に比べると明るいからまぁ彼女の身体もよく見える訳で。昨日僕が付けた痕まではっきり目視できる。
「今すぐに見るのを止めて、私の上から退いてください!マツバさん!」
「うん、それは聞けない頼みだなぁ。……ねぇ、まだちょっと時間があるし……もう一回しよ?」
「え、ちょっと……だめ……、や、マツバさん……!」
「君の反応があまりにも可愛すぎて……良いだろ?」
「良くないですってば!それにしゅ、修行前にこんな事……いけないんじゃないんですか!?」
「この後滝に打たれてくるから大丈夫だって。それに僕達は愛し合ってるから大丈夫だよ。これは美しい愛の営みだし……ほら、それに巷では朝活?ってのが流行ってるんでしょ?」
「あ、朝活って言葉で誤魔化そうとしないでください~!私の体力はもうギリギリですよ!瀕死なんですって!」
「みねうちにしておくから平気だって」
「~!も、もう!マツバさんてば!」
「……そんな意地悪な僕も好きなんでしょ?僕も君の事、愛してるよ」
「うぅっ……!それは……そうですけど……!」
僕の言葉に彼女はもごもごと口篭る。押しに弱い所がある彼女はきっとこのまま僕に食べられてしまうだろう。そんな所も愛しくて仕方がない。
清々しい朝の訪れまで、もう少し。
それまで僕達は再度深く愛し合うのであった。
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