5月

 讃美歌が聞こえる。
 柔らかい光のように心地よい、リゼットの歌声。
「シラス君が子守歌にしてた、この讃美歌が一番好きなのですわ」
 リゼットの言葉に、シラスは懐かしそうに微笑む。
「僕もこの歌が一番好きです」 
 忘れられない、亡き母の優しい子守歌。
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